2つ星シェフ、カルロ・クラッコ、動物愛護団体に訴えられる

人気TV番組「Masterchef」で知られるミラノのミシュラン2つ星「Cracco」シェフのカルロ・クラッコは、おそらく現在最もTVでの露出度が高いイタリア人シェフであろう。かのグアルティエロ・マルケージの門下生「マルケジーニ」の中でもキャリア的には筆頭に位置する存在で、その経歴はアンドレア・ベルトン、ダヴィデ・オルダーニ、エンリコ・クリッパら他のマルケジーニたちを引き離している。そんなカルコ・クラッコだが1月14日放送「Masterchef」の番組中、鳩を調理したところ動物愛護団体AIDAA(Associazione Italiana Difesa Animali e Ambiente)がイタリアおよびEUの動物保護に関する法律147/2009条に違反しているということでカルロ・クラッコを告発、ミラノ裁判所に訴状を出したという。

EU及びイタリアでは野生生物が手厚く保護されており、基本的に養殖以外、あるいは非合法的に処理された野生生物を調理することは禁止されている。番組中でもカルロ・クラッコは当然合法的に入手した鳩を食材として使用したはずだが、それ以前にイタリア全土に鳩料理は広く浸透しているのに何故今AIDAAはカルロ・クラッコを告発するのか?それはアマトリチャーナ論争はじめなにかと世間を騒がせることの多い有名シェフをあえてターゲットにした感も強い。現在ミラノの裁判所は訴状を受理するかどうか審理に入るそうだが、仮に訴状は却下されたとしても野生動物の保護を訴えるAIDAAの思惑は半ば成功するのでは、とする見方が強い。