Da Amerigo@Savigno

夏までBuca dell’Orafoで働いていた日本人料理人の慎弥君が、11月の帰国までの予定で厨房に入ったボローニャ近郊のアペニン山塊にあるトレ・ガンベリの店「Da Amerigo」へ出かけてみた。予約の際に道順を聞いたのにも関わらず、道を間違え、とんでもない山道をなんとか乗り越えて到着。小さな小さな田舎の町である。

1934年に現オーナーの祖父母が開いたバールが前身のこの店、古いものを綺麗に残した内装も一見の価値がある。料理の目玉は、キノコ、トリュフ、ジビエで、つまり今が一番。テーブル上には白トリュフ料理のメニューがペラ一枚、そこには「ピエモンテの白トリュフ祭りの開催期は値段が上がることをご了承ください。なお、当店では1gあたり2,20ユーロとしています」と但し書き。しかも、各料理の値段の脇には「うちトリュフ代が00ユーロ」と明記。こんな明朗会計初めてだ。

白トリュフ料理はお馴染みタリエリーニのシンプルな一品と「たまご新旧」なるものをオーダー。旧はいわゆる半熟目玉焼き、新は焼き目のついた固いメレンゲの中にとろとろの黄身が仕込まれたもの。両方の上に白トリュフの極薄片がたっぷりとかかっている。店の主人が「メレンゲをざっくりと割って、それをパン代わりに黄身をつけて食べる。ほらほら、遠慮せずに!」とせきたてる。流れ出る黄身が広がるのが嫌いな私は焦りながら一気食い。

美味しかった。今までに食べた白トリュフの卵料理って結構重いものが多かったけれど、これは非常に軽く、もたれず。私の中の白トリュフ料理番付が塗り替えられました。mnm