ミシュラン、50歳となる

去る11月29日にミシュラン・イタリア2006が発売になった。が、近所の本屋Edisonでは翌30日になっても並んでいなかった。期日厳守の一斉販売という発想はこの国には、ない。12月1日にたまたま通りかかった旅行ガイド専門店で見つけたのでとりあえずゲット。本当はEdisonのポイントカードを使いたかったのに...。

2005年版より0.50ユーロ上がって22ユーロ。ただ、今年は50周年にあたるため特別付録として写真集「Cosi’ viaggiavamo」(私たちはこんな風に旅していた)がついている。装丁は、判型は一緒だが、表紙が昨年までとは違ってマット仕上げ。手指の脂がつきやすいのがやや難。

中面はまず1956年以来の50年間を振り返る記念として、50年間載り続けているホテル・レストランに”50″印をつけたとする前書きで始まる。そして注目の星付きリストでは、今年は三つ星が1軒増えて、ローマの「ラ・ペルゴラ」が加わって全5軒に、二つ星もモデナの「オステリア・フランチェスカーナ」とラグーサの「ドゥオモ」の2軒が新たに加わった。三つ星も二つ星も落第者はなく、まずはめでたいという感じである。一つ星は新加入も落第もありの入れ替え戦で、今回新しく入ったのは14軒。つらつら並べると長いので割愛するが、ローマのホテル・アルドロバンディパラスのレストラン「ベイビー」が入ったのに注目。ここのプロデュースは「ドン・アルフォンソ1890」のアルフォンソ・イヤッカリーノである。

歓迎すべきは、どこが星付き新規参入かが一目瞭然の「N」印がついている点。去年版といちいち見比べる苦労が減った。(落第探しにはその地道な作業がまだ必要だが。)さらに、「頑張れば来年は星が増えるかも」という店は赤字表示というサービスも開始。しかしこの赤字、ある意味、プレッシャーなんじゃないだろうか。

ところで、このガイドブックが50周年を迎えたという事実の前にちょっと気が遠くなった。実はバックナンバーを揃えたいと思って機会あるごとに探すのだが、これが意外と難しいのだ。ましてや50年分、いや、手元にある分を差し引けば41年分かな? 見つけるのは限りなく不可能に近いかも。mnm