Antiche Carampane@Venezia

ド・モーリのルーディに聞いた店、アンティケ・カランパーネへ。そういえばこの店にはまだ来たことがなかった。場所的にもサン・ポロの奥の方にあるし、フリで見つけるのはなかなか難しい。黒服のパオラともうひとりのシニョーラ、多分姉妹?店内はクラート、ストゥディアート。リネンも照明も大人のコ−ディネート。いわゆる小箱系。白ワインは奇麗なヴェネツィアン・ガラスのカラフに入って出てくる。まずは何も言わずにイワシ・ボールとズッキーニ、人参、タマネギの細切りのフリット。いい塩梅で酒のあてにぴったり。前菜はアドリア海のおおぶりのアサリ「カパロッソリ」のスープ仕立て。アサリは新鮮そのもの。このアサリの出汁でスープが美味しくないわけがない。少し辛口で寒い日には最高の料理。パスタ、クモガニのニョッケッティ。セコンド、奥のテーブル客がとっていたフリットゥーラ・ミスタ。ヤリイカ、手長エビ、舌平目。付け合わせにトレヴォーゾ産のラディッキオの鉄板焼き。ドルチェはブラーノのビスコッティやらトローネやらの盛り合わせ。これにヴィーノ・ドルチェをとるがこれだけはパッシートでシチリアもの(多分)だった。

店を出がけにパオラがグラッパをごちそうになる。「これで寒い外に出てく勇気をつけなさい」と。私の中のヴェネツィアいい店ランキング、変動あり。非常にいい店。ちなみに「カランパーナ」とは「身なりのだらしない女、年上の醜い女」という意味だが当然これはアウトイロニーアというか謙譲的表現であろう。MASA