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Ischia

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島の旅第二弾、ナポリ沖イスキア島より帰還。今回は島一つだから期間は短くてすむし、絵面もそれほど変化はないだろうと高を括っていたら、さにあらず。イスキアははっきりとナポリ文化圏で、ということは、ナポリ特有のテンションの高さが島を覆っている。エオリエにはない、オクターブ高い感じ、あるいはいつもベルカントな感じに、島ぼけしているヒマはなかった。

ナポリでいつも頼む信頼のタクシー運転手パスクアーレに船着き場モーロ・ベヴェレッロまで連れて行ってもらい、ミラノから飛行機でやってきたカメラマンK太氏と落ち合って高速船で30分、目指すイスキア・ポルトに到着。今回のテーマは「温泉天国」。とはいえ、温泉に浸かる隙は一ミリもない。温泉プールに気持ちよさげに漂う富裕層をひたすらパパラッツォ。でも最近は私生活尊重主義ゆえ、お顔がわかるカットはNGである。

Bellavista
温泉に浸かれないとすれば、残る楽しみは言わずもがな、食べること。今回の島旅も本当に食にハズレることはなかった。フェラガモの広報のL女史はイスキア出身。彼女が薦めるDa Peppinaに向かうと果たしてその日は定休日。代わりにと紹介されたのがBellavistaというその名の通りの絶景レストランであった。自ら名乗って”フランチェシュコ”という店主の薦めるまま、自家栽培する野菜の前菜を食べる。あぁ正しい野菜の直球の味よ、と恍惚の世界へ...。因に赤いのはしば漬けではなく、ペペロナータである。

島の北側からぐるりと南へ回り込むと、そこはさらにディープな島人たちが棲息するサンタンジェロなる小さな小さな港町。へばりつくようにある小さな、でも綺麗なビーチには黄色いパラソルと寝椅子が並ぶ。見ればそこには「バナナビーチ」の文字。黄色だからバナナなのか、バナナが好きだから黄色にしたのか。そんなどうでもいいことを延々と話のタネにしたくなるような、なぜか笑いがとまらなくなる、それがサンタンジェロ。

Pilata
この町の港の真ん前に陣取る、怪しげなバーレストラン・イル・ピラータ、つまりパイレーツは、とりあえず時間をつぶすにも、美味しいパスタが食べたい時にも、とにかく間違いのない店である。海賊風黒い頭巾の店主カルロをはじめ、従業員はとりあえずみな頭巾に、白いジーンズという統率ぶりも清々しい(?)。前菜はお任せでいろいろ、今回は生のそら豆が籠にどーんと盛られてきたし、大きなおじさんの握りこぶし大(もしくは赤ん坊の頭大)のモッツァレッラもたまらなくミルキーだし、そしてもちろん、ソースの中にゆで上がったパスタをどーんとぶちこんでよくよく混ぜて、皿に盛ると味が落ちると言わんばかりに鍋ごと登場したスパゲティ・アル・ポモドーロフレスコ(ぴり辛味)に至っては、無言で挑むのみ。「美味しい」なんてコメントする度に美味しさが逃げちゃうような気がする。

Ischiacaneエオリエは猫諸島だったけれど、イスキアは犬の島。それもナポリっぽいはしゃぎ系ばかり。そこで問題。さて、この犬はなにをしようとしているのか? 動画だったらその落ち着きのなさからすぐに答えは知れてしまうけど。mnm

匡克 池田
About 匡克 池田 (1167 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa

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