Fortuny/Hotel Cipriani@VENEZIA

半年ぶりのホテル・チプリアーニのメイン・ダイニング「Fortuny」でのディナー。珍しく今夜はウェルカム・スプマンテもアミューズもなし。はて。「手長海老と白アスパラガスの温製サラダ」は出盛りの白アスパラをうすくそいでさっと湯通し、ヴィネガーを効かせたドレッシングで食べるが、山ウドを思わせる食感は日本の春を思わせて郷愁を誘う。次いで「子羊のカレ」ソースはバターでデグラッセしたと思われるグレイヴィー・ソース。付け合わせはバターでソテーしたアスパラガスとポンム・フリット。パンはメルバ・トースト&バター、料理は全て縁が花柄で覆われた絵皿というクラッシックの極致。パスタもゲリドン・サービス。厨房にてシェフが仕上げる現代のサービスとは異なる時代絵巻を見るようなこのレストラン、昨今イタリア料理にはないオーセンティックがびんびんこだまする時代の生き証人。イタリア料理を志す人は一度行く価値あり。

ゴルゴンゾーラ、ドルチェ・ラッテ、タルトゥーフォ・ネロ、ペコリーノ・スタジョナートなどチーズのあとは「クラッシコ」ジェラート・ディ・チョコラート。ワインはMontevertine1997で百●十ユーロ。MASA