ニュルンベルガー・ソーセージ@Nurnberg

マルケからドイツ・シュトゥットガルト&ミュンヘンへ。家具メーカーの工場取材で久しぶりのジャーマニー訪問。4年前にシュトゥットガルトへ行った時は、空き時間に●ルセデスのミュージアムに出かけ、中国のかたがたが争うようにお土産を買い漁るのに気圧された記憶のみが鮮明に残っている。

しかし、今回はシュトゥットガルト自体には行かず、●ルセデスの工場を横目に見ながら南部に向かい、シュヴァルツヴァルト(黒い森)の端っこあたりで緑豊かな工場街(というのも変だけれど実際そうなんだから仕方がない)を訪ねた。工場内の食堂で打ち合わせをしているうちに昼休みのベルがなり、屈強な労働者(胸に●カ・コーラそっくりの書体で●カイーナと書いたいかにもアブナイ感じの兄ちゃん)が一番乗りで、事前に予約していたおかずとパンを手にテーブルに向かう。

おかずは事前に予約制。いつでもきっちりムダなくスキのないドイツ人ならではのルールだ。我々には取材にアテンドしてくれたおじさんが前日に予約してくれた旬のホワイトアスパラガスのベシャメルソースwithポテトケーキが配られた。その日はドイツ初日だったから喜んで食べたけれど、この後、どのレストランに行っても”本日のおすすめ”はアスパラ。そうそう毎日食べたいものではないアスパラ攻撃には下手するとアスパラ嫌いにする勢いがある。

ミュンヘンに移動すると、そこはまたアスパラ・パラダイス。直径3cm強の極太ホワイトアスパラが屋台に並んでいる。でも、アスパラにはお腹いっぱいだった我々は南ドイツ通年メニューであるソーセージに突進。腐りやすいからと朝に作って午前中だけしか食べられなかったという白ソーセージ、ニュルンベルグ名物の小ぶりのソーセージ(ほとんどイタリアのサルシッチャ)のグリルを、ビールの苦手な私は白ワインで堪能。

ミュンヘンのPeck、といったら失礼かもしれないダルマイヤー(創業1700年)でも見たけれど、ドイツのサラミはイタリアのそれに比べて「食べてみたい感」が薄い。なんとなく”煙い”感じがするのだ。肉本来の旨味よりも発酵味のほうが強いというか。それよりもやっぱりヴュルスト、ソーセージのほうがそそられる。

でも、ミュンヘンの町中を歩いていてもやたらと目につくのはイタリアン・カフェだったり、ミュンヘンからSバーンで20分の住宅街でもイタリアン・レストランからイタリア語が聞こえてくる。ガストハウスの皿洗いはローマ以南から出稼ぎにきたイタリア人だった。イタリアでは皿洗いはさらに南のアフリカから移民してきた人々の仕事だが、北上したドイツではイタリア南部出身者の仕事なのである。ヨーロッパの連綿とした労働ヒエラルキーを垣間みた思いをした。