師弟対決 Villa Petrischio@Cortona

Cortona近郊の田園の宿Villa Petrischio。レストランの眺めがいいらしいという、それだけの情報で訪問。確かに眺めは大変よろしい。レストランはプールに併設。仕事じゃなかったら水着に着替えたのに...。シェフのFabrizio Peruzzi君は真面目でもの静か。撮影したカワカマスの焼き加減は絶品で、失礼ながら鄙には稀なレベルの高さ。取材後にバイクの音を響かせながら颯爽と去っていく姿はでも少し寂しげだった。

話は前後するけれど、ランチではほかにpiciも所望。メニュには”粉と水で練ったスパゲットーネ”とある。ソースはうさぎの煮込みマルティーニ・ドライ風味。でも、登場したのは明らかにトマトとにんにくのall’aglione。そして、打ち立てをすぐゆでたと思しきくにゃくにゃ仕立て。とろりとした舌触りとしんねりとした食感に、青山の「ベッカッチャ」を思い出しました。これはこれで面白い一皿。

その夜、高速A1を挟んで反対側のWalter Redaelliへ。かねてより行ってみたかったのと、Fabrizio君の師匠だという縁(?)も後押ししての訪問。師匠Walterのpiciも試してみることに。こちらは打ってから少し時間を置いたしこしこタイプ。いわゆるこちらのほうが一般のpiciのイメージで、ラグーやきのこなど個性の強いソースとの相性がいい。チンタ・セネーゼの脂がほどよく利いた力強い味わいを堪能。

師匠によると、Fabrizio君の勤め先はあまりレストランに関心がないようで、やたらとパーティを受けたがるし、宣伝のために季節を前倒ししたメニュを強制したり、とFab君はなかなか大変らしい。後ろ姿に漂った寂しさは、そういう理由があったのかも。頑張れ、Fab君。mnm