フィレンツェの春、とは?

今現在、例のGem Stoneシリーズ入稿準備中なのですが、どうもフィレンツェの風景写真が良くない。というのもきっちりとワインバーやらレストランやら取材した後に、それまでなんとなく撮りだめてたモニュメントやら教会やらの風景写真を並べて見てみると、昔の写真があまりに何も考えず、頭を使わずに撮っているのが見えて来てなんだかすべてやり直したくなってくる。つっこみもなければ粘りもないし、哲学もない。

いくらテーマが決まる以前に撮った写真とはいえ、やはりストックフォトで作るという作業は難しい。経費削減ブームのこのご時世、やたら「ストックフォトでお願いします」というリクエストも多いのだが、やはり撮ってから時間が経てば経つほど鮮度も感情も色褪せてゆくのでしょう。というわけで街へ出る、のだが果たしてどこまで思考を深められるのか?フィレンツェの春を2次元媒体で表現するとは一体どういうことなのか?当然答えはどこにもないわけで、自分自身で街角に落ちているキーワードをひとつづつ拾い集めてゆかなければいけないのだが。MASA