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週間食卓日記簡易版@Venezia

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イタリア料理のストックフォト10,000点超

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4日から12日まで歩き倒したヴェネツィア。久しぶりの水都縦走は体力の衰えを実感するに余りあるハードさでありました。そんな必死の水面下の水掻きを微塵も感じさせない誌面になっていることを祈るばかり。

4日夜。サン・マルコの「Bacaro」、通称「本屋の飲み屋」にて打ち合わせ夕飯。insalata di granseola、fritto misto di pesce、spaghetti al nero di seppie、insalata mistaなど。サラダのcondimentoはほとんど趣味。混ぜた時点で満足して食べるのを忘れる。

5日夜。Fondamenta Nuoveから歩いて4分ほどの「Boccadoro」。食卓にいる我々の眼前でイサキをさばくシェフ、Luciano。「内臓の匂いがたまらん、早くどかしてくれ」とTフォトグラファーの悲痛な叫び。客の目の前でcrudoを仕立てるのが最近ヴェネツィアでは流行ってるらしい。別の店でも同様のパフォーマンスが人気、と後日某所で小耳に挟む。Fritto mistoはエビやカラマリのほかアサリやムールも殻付きで揚げるのがここんち流。

6日昼はリアルト界隈バーカロめぐり。昼時の大混雑のなか、突撃取材敢行、撃沈。寒いのでみんな店内に居座るのが敗因。夜は「Antiche Carampane」。これまた超満席につき、テント様の外席にて着実に下がりゆく外気温と戦いながらの夕飯。冷めても美味しいソフトシェルクラブに涙。冬の名物です。この晩は、元王様ヴィットリオ・エマヌエーレのご親族様のお姿もありました。

7日夜はサン・マルコ界隈で唯一まっとうに食べられるところと認識する「Osteria San Marco」。「土曜日の夜で忙しくて、ちゃんと対応できなくてごめんね」というFabioの言葉に、日中の取材でおヒスを起こしていた某店店員に「爪のあかを煎じて飲ませたい」と。どんなにヤな目に遭っても、こういう人がいると救われます。

8日、朝から容赦ない氷雨。昼は雨宿りで通りすがりのピッツェリア「Rosa Rossa」。ピッツァは薄めで冷めると固くなるけれど、店員はきびきびと働き、気持ちのいい店。夜は「Alla Vedova」、大混雑。misto di pesce、misto di
verdureの前菜の後、spaghetti alla busera(scampiトマトソース)、spaghetti alle vongole、folpetti con polenta。アサリ・スパは「オレのほうが上手い」、「小タコは運河の味がする」とTフォトグラファー。

9日、昼はバーカロ「Al Ponte」取材。アポなしでも気前よく取材させてくれる懐深さにひたすら感謝。となれば大雑把な盛りつけもご愛嬌。夜は当てにしていたところが閉まっていたのであやうく夕飯難民になりかける。Dorsoduro地区でがら空きだった「Pane, vino e San Daniele」でビバーク。salumi misti、insalata mistaで肉と野菜補給。今年初のvino novello。

10日、「Alla Vedova」で怒濤の撮影の後、撮ったものを口に押し込んで移動(涙)。夜はDorsoduroの「Quatro Feri」で慰労会。misto di verdure、misto di pesce。spaghetti con carciofo e canoceのシャコは、シャコってこんなに美味しかったんだと瞠目する旨さ。しゃぶりつくしました。それにしてもハードな日々で、我々の体も"背中ぱんぱん”、dorsoduroでありました。

11日、「Diavolo e l’Acuasanta」で最後の料理撮影。この日はヴェネツィアの守護聖人、San Martinoの祝日。そして奇しくも店主Silvanoの誕生日、ゾロ目もゾロ目の1111で御年61。けして大声を上げることはないけれどいつも静かに来々な空気をにじませている好々爺、といったら失礼か。アゲモニスタとしては、ここの揚げ物いろいろが楽しい。Alla Vedovaのpolpettine di carneとDiavoloのbaccala frittoは心のオアシス。日曜日の雨にはどうしたものかとうろたえたけれど、絶対に晴れるというSan Martinoのお陰ででどうにかこうにか一応最終日にこぎつけ、全予定は消化できなかったけれど98%は全うしたということで夜、こぢんまりと打ち上げ。リアルトの「Bancogiro」でtartare di pesce、antipasto misto di pesce、bigoli con sarde、ワインはヴェネトを離れてfranciacortaのロゼ、マルケのVerdicchio di Jesi。

知力体力ふり絞ってのヴェネツィア取材、その出来上がりはAmarena1月7日発売号にてご覧いただければ幸甚です。それにしても、Y編集女史の凄まじい体力に脱帽。準備ゼロでフルマラソン走れると聞いて、あ、そーゆーこと?と・・・。mnm
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匡克 池田
About 匡克 池田 (1161 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa

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