チブレオとトリッパイオ

最近新たに我が家の書棚に仲間入りしたのが、「I dieci comandamenti per non far peccato in cucina」と「Lampredottai e Trippaiuoli a Firenze」の2冊。前者はフィレンツェで知らぬものはいない、もし知らなければもぐりとも言われる料理店「チブレオ」のファビオ・ピッキの新刊、後者は2009年に改訂版として刊行されたフィレンツェのストリードフードについての観察&考察本です。

表紙を見れば分かるように、ファビオはすでに仙人の域に達しているようですが、そういう人物が「料理で失敗を犯さないための十戒」などという本をものするなんて、はまりすぎです。内容はカトリックの十戒に準じて十の項目別にファビオの家族の物語や料理哲学やなんかが割と平易な言葉で綴られ、合間にレシピも挿入されており、タイトルからすればやや拍子抜けもしますが、フィレンツェの食を学ぶ人は一冊持っておいて損はないかと。

ランプレドッタイオ、なんて言葉があるのは知りませんでしたが、体を使って労働に励む人々や懐がやや寂しいけれどマクドナルドは嫌という旅行者に人気のモツのパニーノは、フィレンツェ人にとって伝統と郷愁のストリート・フード。初版が大反響となった(by出版社)というのもあながち誇大表現ではないでしょう。わずか70ページの小冊子ですが、モノクロの写真もところどころに効果的に挟み込まれ、やはり手元に置いておきたい一冊であると思います。

ご興味あるかたは、レプブリカ広場の書店EDISONへどうぞ。”十戒”は16ユーロ、”ランプレドッタイオ”は10ユーロです。mnm