速報Chianti Classico Collection 2010

例年通り2月に開催されるChianti Classico Collection、本年は16日にプレス、17日に業界一般向けの試飲会と二日間に渡って行われています。かつては三日間に渡って開催されたこともありましたが、このご時世だからでしょうか、日数は最低限に絞り込まれたようです。一週間後に控えているBenvenuto Brunelloが四日間であることを考えると、高級とは言いがたい(でも安くもない)キャンティ・クラッシコが苦戦していることがこんなところにも現れているような気がします。

しかし、会場を訪れてその想像は事実であると確信しました。まず入口が閉ざされきっているのです。入口の表示も何もありません。中の様子が伺えない扉を押し開けるとそこは人もまばらな受付会場。3月のTasteなら長蛇の列なのに...セキュリティチェックもなくすんなりと入場し、本物の赤ワインの入ったデカンタが天井から何個もぶらさがっているという地震国日本ではあり得ないガッロネーロ・グッズの凝ったインスタレーションの周りにも人気はなく、そのまま奥へと進むと試飲会場。さすがにそこには人がいますが、席は結構空いています。例年であれば、その先にプレス・カンファレンス用のひな壇とパイプ椅子が並んでいるのですが、それがどこにも見当たりません。あれぇ...と呆然としていると、やおらマイク片手の人が立ち、話し始めました。開始の合図もなにもないのは正しいイタリア式ですが、立ち話のように気軽に始められちゃってもなぁ。こっちも立ちっぱなしだし。

「あまり景気の悪い話をしてもなんなので」とささっと開会の挨拶程度で終わり。その間わずか5分ほど。拍手もまばら、これはちょっとあまりにも景気悪すぎやしませんか。お金かければいいというものではないけれど、立ち話開会式はないでしょう。渡された資料はこれまでにChianti Classico協会から五月雨式メールニュースで送られてきたもののプリントアウトばかりで、あらためて見るほどのものはありません。2009年度の売り上げが全体で15%減を記録してしまったというネガティブ気分だけが嫌というほど伝わってきました。

協会広報のシルヴィア・フィオレンティーニとのそれこそ立ち話では、大規模生産者はまだしも、先行投資に注ぎ込んでしまった小規模生産者が非常に苦しんでいるとのこと。しかし、嘆いてばかりもいられないので、協会として今後はアメリカと日本のマーケットに向けてさらなる活動を広げていく、その手始めはこの秋に、Brunello di Montalcino, Vino Nobile di Montepulciano, Prosecco di Valdobbiadeneとともにイベントを仕掛けるそうです。個人的には赤ワインばかりでなく、泡ものが参加するのは相互作用をもたらすのではないかと思っています。もっと日本で美味しいプロセッコが飲めるようになるといいですね。mnm

その模様はこちらでどうぞ。音が出ますのでご注意下さい。

youtube http://www.youtube.com/watch?v=r_UcJv3HWIw&hl=ja