Agustarello@Roma

朝イチでフィレンツェをAltaVelocitaで発ちローマへ。まず向かったのはカンポ・ディ・フィオーリ近くにある某エノテカ&レストランにて野暮用、というか撮影。次いでちょっとこない間に「コーシャ」の看板を出すこぎれいな店が増えたゲットーを歩き、テスタッチョへと移動。例の屋内市場の移転はようやく2010年中には始まるという話だが果たしてどうなることやら。

で、やってきたのはアグスタレッロ。しばらく見ない間に痩せた(本人は強制的ダイエット、といってたが?)店主のアレッサンドロと挨拶を交わし一番乗りで席に着くが食べたい料理はメニューを見なくともすでに決まっていたのだ。それはメッツェ・マニケ、すなわちリガトーニのパイアータ。仔羊のか細くてまだ汚れてない小腸を使ったトマトソースのパスタはテスタッチョの味。数年前に比べると味が弱くなった気がしたのはアレッサンドロが痩せたせい?できればオーリオ・ピカンテをひとたらししたいとこだが、人間40を過ぎると様々な理由で嗜好も味付けも変わってくるものなのであろう。彼曰く狂牛病以来、牛の腸はまだ解禁されてないのだが本当のパイアータは子牛の小腸で作るのだとか。今度来たらそれを食べさせてやる、とおっしゃって下さいましたがそれって闇パスタ?

さらに相方のチコーリアとペコリーノのカヴァテッリをつまみ、仕上げは忘れられないアバッキオ・スコッタディート。ローマで食べる仔羊の官能の味はこの店で覚えたようなものである。本日の仔羊は塩も脂も焼き加減も完璧でこれを地元ラツィオの白、マルコ・カルピネーティのMORO(14%!!)で洗い流す。付け合わせは土手に生えるいらくさを無造作に摘んでフライパンで炒めたようなほろ苦い野生のチコーリアの唐辛子炒め。非常にシンプルな料理の連続で体にたまった毒を洗い流した気になる。一見質実剛健極まりない店に見えるが意外にもベジタリアンの客も多いのだと。

フリで入るローマの店は油っこくてしかも量が異常に多く辟易させられることが多いが、この店は1/2ポーションを選べるのも親切。以前テルミニ駅近くのターヴォラ・カルダのような店で女性編集者と2人で入り、それぞれカルボナーラとアマトリチャーナを頼んだら、出て来たのはジャポネもびっくり、スパゲッティがうずたかく積まれたオーバルの大皿2皿。「これって何人分ですか?」「それぞれ1人前」「麺何グラムですか?」「う〜ん乾麺で250gかな、うちは普通だよ」という恐ろしいやりとりをしたことがある。当然完食ならず、見ると回りの客もみなたっぷりと残してた。それは行き過ぎにしてもローマは一概に麺の量が多い。育ち盛りの高校時代ならいざしらず、美味しいパスタをちょっとだけ、という大人の皆様には1/2がよろしいかと。MASA