中央市場、今年11月に再出発!?

年々、中央市場は中身が薄くなり、老舗が閉まり、移民による青果店あるいは土産物店のみが増殖しています。日々の買い物の為に利用する地域民が減少し、界隈は貧しい移民が多数を占めるとあっては、それも仕方のないこと。しかし、殊に夜の治安の悪化が益々のスラム化を促しているとあっては、フィレンツェ市としても対策を打たねばなりません。

一昨年より中央市場の二階は改装工事が行われていますが、工事開始時にその将来がどうなるのかは決まっていませんでした。二階にあった青果店は一階もしくは隣接する仮設テントに入居。しかし、我々がよく利用していた店は二階閉鎖とともに撤退してしまい、ほかの店もその顔ぶれが随分と変わりました。そして困ったことに野菜や果物の質が劇的に悪化したのです。たとえ二階の改装が終わったとしても、この状態のまま青果フロアとして再開するのならけして良策とは思えません。

このほどようやく工事終了の目処が立ち、さてどうしようかと重い腰をあげたフィレンツェ市。この2年間何をやってたのか、という素朴な疑問はさておき、現在の案としては多目的スペースとしての再出発が有力なようです。イベントスペース、レストラン、ショップなどを誘致し、もしかするといくつかの青果店も入るかもしれない...。さらに、美術館あるいはダンスホール(!)などという案もあるようですが、いずれにしてもなんだかこうぱっとしない、と感じるのは私だけでしょうか。

せっかくの市場なんですから、食というテーマに多角的にアプローチしたらどうかと思うのです。フィレンツェ、トスカーナを中心としてイタリアの食を積極的にプロモートするスペースとしてショップ、レストラン、ファーマーズマーケット、カフェライブラリーなどいろんな業態を集めてみるとか。イータリーやガンベロ・ロッソを誘致してもいいでしょう。間違ってもやってはいけないことは、家賃収入を見込んで値をつり上げ、高くても払うことのできる大手企業だけを相手にすること。マクドナルドやアウトグリル、ZARAやH&Mなど、どこにでもあるものを今更持ってくる必要はないのです。

10月後半には詳細が明らかとなり、11月にはオープンする予定とか。サン・ロレンツォ地区の運命を決定するといっても過言ではない中央市場の再生、マッテオ・レンツィ市長は真剣に取り組んでほしいと願うばかりであります。mnm