ミラノ通勤取材

ユーロスターがフレッチャロッサ&フレッチャアルジェントとなって、ミラノへもヴェネツィアへも2時間で行けるようになり、日帰り出張がしっかり可能となりました。喜んでいいんだか悪いんだか...。しかし、8月、ヴェネツィアは観光地ですから結構店も開いているのですが、ミラノはほぼ全滅。9月に入ってもまだ閉めたまま、なんていうところもあります。

営業しているところ、という条件下で選び出したリストランテ。一つはデザインのセレクトショップRossana Orlandiが作ったカジュアルな雰囲気のPane e Acqua。もう一つは定宿のすぐ傍だったのに、そこにあることも知らなかったIl Liberty。それぞれ明確なコンセプトを持ったシェフが仕切る、小体な店であります。

Paneのシェフ、Francesco Passacquaはアルバ出身、長身の北イタリアらしい体躯で、ドロミテからボローニャまで主に星つきレストランで修業。無駄口をたたかず、きびきびとした動きは、レベルの高い店で培った賜物と見受けられます。料理はミニマリズムとロークッキングも取り入れた、シンプル&ストレート。素材本来の味をしみじみと味わいました。

Libertyのシェフ、Andrea Provenzaniは、苗字からシチリアか?と思ったら、半分当たり。父親がそちらの出身だそうですが、本人はミラノ生まれ。しかし、料理は料理人だったエミリア・ロマーニャ出身の母親の影響で興味を持ったといいます。ミラノ内外のさほど有名ではない店で修業し、02年に同店をオープン。食べ歩いて研究したイタリア各地の素材を使った、結構パンチのある皿を繰り出します。

どちらの店も安くはないけれど、不当に高くはないと思わせる価値があります。コストパフォーマンスにうるさく、競争激しいミラノだからこそ、の店かもしれません。mnm