SAPORITA NEWS

Luccaにて

有料コンテンツのお申し込みはこちらから
イタリア料理のストックフォト10,000点超

Lucca20101009_249
ある土曜の朝、正確には10月9日、トスカーナの小さな世界遺産都市ルッカへ。ここのところイタリア料理原理主義都市として内外にその名を轟かせている町でもあります。というのも以前このブログでも取り上げましたがルッカ市は市内に今後イタリア料理以外の新規開店を認めない、というお触れを出したのです。

その理由はというと最近の経済危機に伴い爆発的に増え始めたケバブなどの異国製ローコスト・ファーストフードは衛生的に問題があるから、というものでした。表立っては外国料理は好ましくない、とはいってませんがトスカーナの中でもスローフード協会の存在が際立つルッカはどうしても料理思想的に右寄りなようです。本来外国料理だろうが何料理だろうが何を食べるか?を選ぶのは消費者の自由であり、しかもそれがローコストならば今のご時世何をおいても歓迎されてしかるべき。そうした料理選択の自由を阻害するのは行政がとるべき立場ではないのでしょうが、しかしその結果、一年ぶりに訪れたルッカでは確かに市内旧市街では中華料理、ケバブ、和食その他外国料理店は皆無。オステリア、トラットリア、あるいはワインバーなどがかなり増えていて、思わずのぞいてみたくなるようないい感じの店があちこちに出来ているような感じがしました。

Lucca20101009_343_2
確かにルッカは栗、スペルト小麦、ジャガイモパン、古代品種トウモロコシなどスローフード協会が「プレシディオ」に指定した希少食材が目白押し。さらに料理でも豚の血を使った腸詰めビロルドやら乾式加熱してから湿式加熱するという珍しいパスタ、テスタローリやらガルムージャやら珍品奇品が勢揃いするイタリア料理原理主義者からしてみれば一度は訪れてみたい土地でもあります。で、この日の昼は以前から気になってたアンフィテアトロ近くの「オステリア・バラッラ」へ。「ノルチーノ」つまりサラミ盛りはソプラッサータ、ラルド、プロシュート・クルード、サラミ、ロンツァ、コッパなどなどとペコリーノが2種。セコンドはこれまた希少黒豚チンタセネーゼの骨付きグリル、つまりトンテキ。見た目約1kg、オステリアなので回転早く、気楽に食べられる店です。しかもおしなべてルッカは勘定が安い。これもイタリア料理原理主義ルッカならではの特色かと。MASA
Lucca20101009_166
Lucca20101009_22

匡克 池田
About 匡克 池田 (1161 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa

2 Comments on Luccaにて

  1. ルッカ城壁内にあるホテルの数が少なくじっくりと散策できなかった過去があり、『保守的フード状態』とは知りませんでした。ケバブはヨーロッパ各地のファストフードになりつつありますね。規制は食にこだわるイタリアならではでしょうか?

  2. えみ様
    いつもコメントありがとうございます。最近のイタリアの食トレンドのキーワードに「ローコスト」があります。その代表がパニーノであり、たかがパニーノ、されどパニーノという考え方が「Panino d'autore」ちょっと訳しづらいですが「主役たるパニーノ」あるいは「オリジナル・パニーノ」でして先日EATALY@NYで話題を呼んだINO@Firenzeのデモンストレーションもそうしたムーブメントの一助となっております。一時期DOP食材などを使ったマクドナルドのこだわりハンバーガー「MacItaly」も話題を呼びました。
    そうしたイタリアのソウル・フード「パニーノ」に対するアンチテーゼ「ケバブ」は別にカトリックVsイスラムという対立構造には全く関係なく、己が口にする食材のIDに強い関心を持つイタリア人からしてみれば、真空パックでどこからか送られて来る、原産地などの出自や保存料の有無なども分からない巨大肉の固まりを電ノコで削ぎ取って食べるというケバブ屋のシステム自体が受け入れがたいようです。「ファースト」でなく己のIDを明確にしたケバブ屋がきちんとしたケバブを提供するようになればそれは比較的イタリア人にもすんなり受け入れられるもの、と思います。とはいえ、そうした食の出自に関心の無い方はイタリア人だろうがアラブ人だろうが、あるいは日本人だろうが人種の壁を越えて出自不明なケバブでもよしとするのだろう、と時々出自不明なケバブを食べながら思います。MASA

Leave a comment

Your email address will not be published.




CAPTCHA


error: