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Lo Scoglio@Marina del Cantone(NA)

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イタリア料理のストックフォト10,000点超

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写真はコスタ・ズメラルダでもモルディブ(行ったことありませんが)でもなく、ソレント近郊某所。実は17日からアマルフィ方面に来ております。ラヴェッロ→アマルフィ→ポジターノ→フローレなどとせわしなく移動しては土地の料理をむさぼり食う、という日々の繰り返し。その間出会った料理や忘れられない人々はいろいろありますが、このところ10年ほどに渡り行きたくてもなかなか行く機会の無かった店に(相方は数度訪問)ようやく行くことができました。それはソレントのさらに先、マリーナ・デル・カントーネにある海辺のリストランテ「ロ・スコッリオ」です。昔赤坂にサルデーニャ&シチリア料理を出すよく似た名前の店がありましたがそれは現役漁師のオーナーがイタリアを訪れた際この店を気に入ったからとのことでありました。

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恐らく今イタリアでも一番の美食ゾーンであることは間違いないソレントあたりで、マリーナ・デル・マントーネといえば「クアットロ・パッシ」、さらにアルフォンソ・カプートの「タヴェルナ・デル・カピターノ」が有名で、そこにたどり着くには「ドン・アルフォンソ1890」のあるサンタガタ・スイ・ドゥエ・ゴルフィ、地元風に発音するならサンタ〜ガタを通ってこなければたどりつけない、これより先は海のみ、というどんつき突き当たりの小さな集落であります。シチリアには東の横綱「アンティカ・マリーナ」と同じく西の横綱「ダ・ヴィットリオ」があるようにここソレント半島には「ロ・スコッリオ」があります。何せ店のテラスは海に大きく張り出し、営業前には漁師が水を滴らせて本日の獲物とともにテラスから現れるのですからいわば目の前の海が巨大な食料庫。その意味ではカターニアの猥雑な市場を己の食料庫とする「アンティカ・マリーナ」と肩を並べるかもしれません。標高650m、ラッターリ山地にある峻険なるワイナリー、マリーザ・クオモ@フローレの白飲みつつ、生貝の前菜クルディタ・ディ・マーレを頼むと専用のいけす前で何やら男衆がごそごそ。見れば今の今まで生きてたムール貝とタルトゥーフォ・ディ・マーレを注文が入る度に割って海の水をぴしゃりとひとかけ。味付けはそれだけで出してくれるのですが、バーリあたりのそれに勝るとも劣らない新鮮極まりない海の果実。さらにこの店は自家菜園もあるのでカボチャ、チコーリア、フリアリエッリ、ペペローニなどの温野菜をどかんと出してくれるのです。

続く前菜はアリーチのマリネ、コッツェ・グラティナーテと来て締めはパスタ、スパゲッティ・アッロ・スコッリオと店の名物ズッキーニのスパゲッティ。前者は魚貝出汁とオイル、数粒のポモドリーニを見事に乳化させ、固めに茹でたパスタと一緒に鍋でしばらくマンテカーレしてから出す南ならではの渾然一体となった料理。後者はいわばズッキーニ・カルボナーラともいえる全卵とパルミジャーノをマンテカーレし、じっくりとソフリットしたズッキーニとあえてソースとしたもの。限りなく生に近い魚→温野菜→パスタと続くこのリズムは体が求めるナチュラルなサイクルに似て、こうした料理を日々口にしていれば今更ながら「地中海ダイエット」だとか考えるのも馬鹿らしくなり、パスタを食べ終わった後はフォークを投げ出してテラスでごろんと寝たくなる。テラスの眼下は水色の海。強風が窓ガラスを叩く音のみがBGMのソレントの楽園。MASA
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匡克 池田
About 匡克 池田 (1167 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa

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