週間食卓日記Firenze〜Mantova〜Erbusco〜Lucca

10月某日 Buca dell’Orafo@Firenze
某仕事でウフィッツィ美術館館長と早朝ミーティング。終了後はブカにてプチ打ち上げランチ。フィノッキオーナ、ソプラッサータ、プロシュートなどの盛り合わせ、クロスティーニ・トスカーニ、今年初のタマゴ茸オーヴォリのインサラータはオイルとレモンで食べます。プリモはこの日のおすすめとサンドロがいうトマトソースのニョッキ。セコンドはグランペッツォ。しめにペコリーノ。

10月某日 Ora d’Aria@Firenze
フィレンツェ・クリエイティヴの旗手マルコ・スタービレの店オーラ・ダーリアへ。2011年のガイドブックの評価はどうだ?と聞くと「やばいよ、エスプレッソで料理が15.5点。エノテカ・ピンキオーリとおんなじだ!!」と控えめな喜び方。来年はミシュラン一つ星かもしれませんね。私的な祝いの日なのでマルコにシャンパーニュを一本(!!)おごってもらい、マイアリーノ・クロッカンテ、カッチュッコ&ウッチェッレットなど。美味しいけれどクリエティヴは覚えられなくて困る。デザートのチョコレートケーキには控えめにろうそくが一本。ブランデーでしめる。

10月某日 Tre Panche@Firenze
久しぶりの肉の日by Perbaccoに参加。総勢8人。プロシュート&クロスティーニの前菜の後はいきなりビステッカに突入。さらにグラン・フリット・トスカーノも。一応これで締めたはずは物足りず再びセコンド第2巡目はポルペッティーネとペポーゾ。さらに名物の焼きたてチーズケーキ&最後は当然グラッパ。店主のサベリオも「これで勝手にやれや」とわしらのテーブルに一本どん!!(しかし安いやつ)。こんな素敵な店の詳細は「フィレンツェ美食散歩」でご覧いただけます、とプチ宣伝。Perbaccoのブログ記事には私らもちらりと写ってますが前列右ではありません。

11月某日 Alla Torre@Canneto sull’Oglio(MN)
雨の中300kmほどぶっとばして日が落ちた頃カンネート・スッローリオへ。翌日からのダル・ペスカトーレ取材に備えての前日入りです。町で唯一見かけたレストラン「アッラ・トッレ」はバールを兼ねていて老夫婦がサービスと厨房を受け持つ静かな店。クラテッロ・ディ・ズィベッロとサラメ・マントヴァーノの前菜、次いでリゾ・アッラ・ピロータ。数年前にマントヴァの米農家を取材した時に食べさせてもらったのがこの料理。店の主人は「ピラフです」といっていたが、見た目あっさりサルシッチャ入りリゾットといった感じのこの料理。農家では古米、あるいは古々米を使うのがポイントだといっていた。日本で新米を味わう感覚とは正反対で、米を熟成させ、水分をある程度飛ばしてからあらためて水分を入れて調理するといういわば乾物的発想の米料理。一口口に運べばはらり、さらり、鄙びた店と馬鹿にするなかれ。目鱗の料理でした。ついで温野菜とウナギのグリル。ウナギは大味でしたが、人参かと思って食べたのがマントヴァ名物のゆでかぼちゃ。さっくりとした食感でとても美味でした。

Franciacorta20101102_53
11月某日 Dispensa@Erbusco(BS)
ワイナリーCa’ del Boscoのスタッフらと6人でこちらのレストランへ。経営はライバルBellavistaだそうですが、店内にどうも見かけたことのあるイタリア人男性発見。カ・デル・ボスコのスタッフに聞けば「ジャコモ・モヨリです」とのこと。スローフード協会(元)副会長&日本担当、スローフード大学学長などの要職を歴任したエノガストロノミー会の大物。六本木の某イタリア料理店、スローフード大学@Pollenzoなどで会って以来3年ぶりにばったり再会。うちの相方がBRUTUSの取材でやはりフランチャコルタのワイナリー、ポンテ・ロッサでインタビューしたこともある、なぜか縁浅からぬお方。聞けば現在スローフード協会を離れてフリーで活動しているとか。全日空機内誌「翼の王国」でイタリア・ワインの連載コラムを書いてるのでご存知の方も多いかと。

料理はシェフにおまかせ。ジャガイモのピューレとキャビア、豚の低温調理クロッカンテ(最近なぜかよく食べる)など。Ca’ del Boscoの2004&2005を飲みながらのビジラン。

11月某日  某BAR@Asola(MN)
Canneto sull’Oglio滞在2日目、隣町のアーゾラへ出かけたところ降り続く大雨で橋が決壊し、目当てにしていたピッツェリア「Come Casa Mia」が臨時休業。ここはダル・ペスカトーレのジョヴァンニも美味しいというピッツェリアでなんでも20ユーロもするピッツァがあるとか。陽もとっぷりと暮れた店の周囲ではパトカーや消防団の車が激しく行き交う厳戒態勢。市内中心部に戻って唯一見つけたのがバールに併設したドライブインのようなトラットリア。スパッゲッティ・アラビアータとツナ&モッツァレッラ・サラダ。やけにきびきびして愛想のいいカメリエーラの女の子は15才?ぐらいな感じでなんか親戚の家で姪御にサーブしてもらってるようで落ち着かない。勘定は激安。

11月某日 Vecchio Pazzo@Lucca
正確にはルッカの山奥だがガルガ・ツアーに同乗し、フィレンツェから車で連れて来てもらったので正確な場所は分からず。もと水車を使ってオリーヴを搾油していたフラントイオで店名は誤植でなくホントに「ポッツォ=井戸」でなく「パッツォ=頭の少々おかしな方」である。店内にはそうした昔の搾油設備が残っているが、そうして作られていた昔のオイルはきっとえぐかったことと思う。ラルド、ビロルドなどの北トスカーナ風サラミ盛り+プロシュート、コッパ、ブルスケッタ。さらにガルファニャーナあたりでよく食べる牛フィレ肉をハーブやドライポルチーニと一緒にマリネして井戸の底(ポッツォ)につけた限りなく生に近い牛マリネも登場。しかもつけあわせがハーブのジェラート(!!)意外な組み合わせが美味しくて皆様おかわり。パスタはやはりルッカ名物のクアドルッチ、つまりラヴィオリでリコッタとイラクサという永世定番。さらに同じくルッカ名物スペルト小麦のスープ、ズッパ・ディ・ファッロ。Colle Verdeの持ち込みワイン飲みつつこれらを食べ。最後はグラッパのボトルを6本装填できるリボルバー風ショット・マシーンを使ったロシアンルーレット・グラッパ(!!!!)で締めるというエクストラヴァガンツァ。

11月某日 Garga@Firenze
東京からお越しのガルガ@銀座三越ツアーの皆様、一部ガルガ@銀座スタッフと合流して7人でガルガ@フィレンツェへ。ポルチーニのグリル、インサラータ・ガルガの後はカラスミのスパゲッティとタリアテッレ・マニフィコ、タリアテッレ・ヴィリアッカ。最後にカルパッチョ・コン・ルッコラ&パルミジャーノ、チーズケーキ、グラッパ、エスプレッソ、その他もろもろでツアーの打ち上げ、というか中締め。MASA