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The Belliniについて

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Belliniベッリーニというカクテルはハリーズ・バー@VENEZIAの創業者、ジュゼッペ・チプリアーニ氏が1930年代に考案したといわれる世界的なスタンダード・ナンバー。同店生まれの「カルパッチョ」と並ぶヴェネツィア生まれの永世定番で平たくいえば桃のプロセッコ割り。以前「ドットーレ」アリゴ・チプリアーニ氏にインタビューした際「今では他の店でもベッリーニを出すけれど、うちのベッリーニは桃がある時期に冷凍してそれを一年を通じて使っている。決して市販のピーチジュースなんか使わない」とおっしゃっていたのを覚えています。ハリーズ・バーの公式サイトによれば正式名称は「The Bellini」。シャンパーニュでなくプロセッコと、白桃のピューレを使う」と書いてあります。確かに同店で飲むベッリーニは軽くて滑らか。しかし名物のトーストをつまんで一人2杯も飲むと、結構な値段になるので心してかからねばなりません。一方こちらは市販の缶入りベッリーニでお値段は2ユーロ。1/4Lなので2杯どりできます。ところでその評判はというと、アメリカのAmazon.comのカスタマー・レビューなどを見ると必ずしも芳しくないようで「本物を知る人から見るとただの炭酸入りピーチジュースで失望」となんともけんもほろろな言いようですが、暑い夏の午後、ヴェネツィア・サンタ・ルチア駅のバールで買ったこのベッリーニを列車を待ちながら駅のホームでぐいっとやるのは、ヴェネツィアにしばし別れを告げるのに欠かせない儀式のようなものです。その評価の真偽はイタリア全国のスーパーなどでお試しいただけます。

ところで「ロッシーニ」というカクテルがあることからこの「ベッリーニ」も音楽家ヴィンチェンツォ・ベッリーニのことだと混同されてますが、出自からしてこのカクテルはヴェネツィア生まれのヴェネツィア育ち。カルパッチョ同様ジュゼッペ・チプリアーニ氏はヴェネツィア出身のジョヴァンニ・ベッリーニに捧げたのです。しかしハリーズ・バーの公式サイト、ビジュアルもレイアウトのひどさもなんとかしないといけませんね。ミニマリズム&フード・デザイン全盛のイタリア・ガストロノミー界にあって、この素人が作ったようなサイトは少々哀しいです。それと肝心の製品名が「The Bellini」ではありません。

匡克 池田
About 匡克 池田 (1161 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa

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