遅ればせながらの南米の記録その1 リマ

3月11日深夜、ペルーの首都リマに着くとさすがに夏の終わりの南米らしく「むわ〜っ」とした空気で、迎えのショーファーに片言スペイン語で日本の津波のことを尋ねると「む、それは知りませんでした。ラジオをつけてみましょう」とのこと。イタリア語と同じくスペイン語でも地震を意味する「テレモート」あるいは「ハポン」「ツナミ」とアナウンサーが連呼しており、その深刻さは全ての意味は分からなくとも、こういう時はなんとなく伝わって来るのです。今回リマでベースとするのは海岸沿いの高級住宅地ミラフローレスにあるオリエント・エクスプレス系の5つ星ホテル・ミラフローレス。ホテルに向かう海岸通りを走ると、海を見つめる人がやけに多く、ドライバーいわく「リマの海岸にも1mの津波が来たそうです」という。チェックインして部屋でCNNをつけるとその光景に唖然呆然。一体この旅を続けていいものかどうか、自問自答しながら眠れぬ夜を過ごしたのです。

とはいえ、ミッションがあってここまで来た以上どうすることもできず、部屋にいる時はCNNをつけっぱなしにしてニュースに見入るという南米での10日間が始まったのでした。

リマの旧市街は治安があまりよろしくない、というのはガイドブックはじめいろんな人からいわれていたことですが、部屋にはこんな注意書きがありました。「リマを歩くときのご注意。パスポート、航空券などは持ち歩かないこと。宝石や貴金属は身につけないこと。現金やクレジットカードはバッグに入れないこと。人通りの無い暗い道は歩かないこと。ホテルの連絡先を携帯すること」ナポリでもパレルモでも、カターニアでも、さすがにこんな注意書きのあるホテルは見たことありません。果たして大丈夫?MASA