Osteria Al Ponte@VENEZIA

「橋のたもと」という名のオステリア

アル・ポンテ、とは橋がある場所という意味である。 その名の通りこのオステリアはまさに橋のたもとにある。 ヴェネツィアの場合オステリアとバーカロはほぼ同音異義語として語られることが多い。よくイタリア料理店のカテゴリーでリストランテ、トラットリア、オステリアの違いは?と問われることがあるが、リストランテは区別がつくとして、トラットリアとはそもそもが料理を出す旅籠屋から発展した形態でオステリアは酒を飲ませる店がやがて料理を出すようになったもの。つまり料理が主か酒が主か、というところにその分岐点はあるのだが、現代イタリアではその区別は非常にあいまいである。

オステリア・アル・ポンテはその区別でいえば典型的なオステリアであり、バーカロであり、酒場である。サンティ・ジョヴァンニ・エ・パオロ広場近くの橋のたもとにある赤い外観は、ヴェネツィアの裏道を散策していると思わず足をとめて入りたくなるかわゆさなのである。入り口正面にはバーカウンターがあり、そこで一杯もらって立ち飲みしている客もいれば、ごくごくシンプルないわゆるチケーティと呼ばれるヴェネツィア独特の簡単なワインにあるつまみ類で食事をとることもできる。小さなテーブルが4卓しかないのでそれこそ足を折り畳んで席につかねばならないが、小さな運河の見える窓際の席が空いていたらそれは特等席である。

バッカラのクロスティーニ、アンチョビのクロスティーニ、南蛮漬けに似たイワシのインサオール、シャコ、サラミ、生ハム、チーズ類の盛り合わせ、魚介のフリット、などをつまみながらカラフェにはいったハウスワインを飲むのもいいし、プロセッコはもちろん、ヴェネトワインのバリエーションは充実している。アペロール、カンパリ、、サン・ビッテル、クロディーノなどのリキュールと白ワイン、ガッサータで作るヴェネト地方特有の食前酒スプリッツはヴェネツィアのオステリアではとりあえず、のビール代わりの一杯で、胃と心の扉を開く大事な役割を持っている。

Cannaregio 6378, Ponte del Cavallo, VENEZIA

Tel041-5286157 8:00〜21:00 無休

 

Masakatsu IKEDA
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池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。 2003年度「シチリア美食の王国へ」がイタリア文化向上に貢献した出版物に送られるマルコ・ポーロ賞(イタリア文化会館主宰) 最終候補作品にノミネート 2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属 2011年株式会社オフィス・ロトンダ設立。現在代表取締役 2014年日本初のイタリアの旅と料理をテーマにしたWEBマガジンSAPORITA設立。国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる

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