Eataly@Milano

V Giornateに次ぐミラノ2号店登場

オスカー・ファリネッティの進撃はまだまだ止まらない。 EATALYオーナーであるファリネッティはイタリア国内に11店舗、米国にはNYとシカゴの2店舗、さらにドバイ、イスタンブールに進出し、次なるターゲットはリオ・デ・ジャネイロとモスクワ、とまことしやかに噂されている。NY店では料理研究家リディア・バスティアニッチ、米国版イタリア料理の鉄人「アイアン・シェフ」マリオ・バターリとのコラボが話題を呼び、さらにオープン時には数日イートイン・コーナーを無料公開するなどNYでもその存在を大いにアピール。先日は酒類生産者は販売をしてはいけないという、禁酒法時代のなごりともいえるNYの条例により高額な罰金と6ケ月間のワインショップ営業停止というありがたくない話題がネットをにぎわしたが、これはEATALYそのものというより、フリウリにワイナリーを所有するバスティアニッチ家が対象となったらしい。

それはともかく、イタリア国内はといえばローマ店が2012年にローマ・オスティエンセ駅脇の広大なスペースに完成。2013年12月にはフィレンツェ店が歴史的中心部にオープンし、先月はミラノのPiazza XXV Aprileにイタリア国内最新店舗、MILANO SMERALDO店が誕生した。例によって吹き抜け空間をうまく使った演出はトリノ、ローマに通じるものがあるが、この新店舗は旧ズメラルド劇場Teatro Smaraldoを改装したものだけに、グランドピアノが置かれるなど劇場効果が十分に発揮されている。

イートイン・コーナーは、多店舗と同じくロスティッチェリア、フリット、パスタ、ピッツァ、ジェラート、パニーノといつもの顔ぶれ。逆にいえば新鮮味には欠けるが、ミラノ新名所のひとつとして数時間遊ぶにはいい。しかしEATALY関係者の中では逆に「EATALY疲れ」も見られるという。これはイタリアの食をあまりにも次から次へとビジネスとして前面に押し出した食のエンターテインメント化に対する忌避にも似た倦怠感であり、あふれるような情報量についていけないという正直な意見でもある。基本イタリア人の日常の食生活とは、郷土に根ざしたごくごく普通の食品をごくごく普通に食べ続けることであり、1イタリア人にとって見たこともないような300種類ものパスタは必要ないのであろう。しかしEATALYのスタイルがイタリアの小売業界にもたらした影響は大きい。COOPのような大型スーパーマーケットから、Rinascenteのような百貨店、さらにはFeltrinelliのような大型書店までがEATALYスタイルのセレクトと陳列、商品のパッケージングからコンセプト、そしてイートインのスタイルまでを模倣し、従来とは違う顧客層を集めるのに成功しているのだ。日本でのビジネスは必ずしも成功したとは言い難いが、米国、トルコ、ドバイ、さらにはロシアとブラジルまで視野に入れ、イタリア食材で世界中の食卓を変える、というファリネッティの世界戦略は着実に前進しつつあることに間違いはない。

 

 

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EATALY MILANO SMERALDO

Piazza XXV Aprile, 10 – 20121 Milano   Tel. +39 02 49497301

http://www.eataly.it/blog/negozi-italia-eataly-milanosmeraldo/

 

Masakatsu IKEDA
About Masakatsu IKEDA 1155 Articles
池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。 2003年度「シチリア美食の王国へ」がイタリア文化向上に貢献した出版物に送られるマルコ・ポーロ賞(イタリア文化会館主宰) 最終候補作品にノミネート 2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属 2011年株式会社オフィス・ロトンダ設立。現在代表取締役 2014年日本初のイタリアの旅と料理をテーマにしたWEBマガジンSAPORITA設立。国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる

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