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Girotonno2014マグロ料理対決第1戦、フランスVsアメリカ

第一戦は仏軍マグロのインサラータ・ニソワーズに軍配があがる

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イタリア料理のストックフォト10,000点超

第12回国際マグロ・フェアGirotonno(ジーロトンノ)はサルデーニャ島にある小さな島、サンピエトロ島の港町カルロフォルテで2014年5月30日に開幕した。カルロフォルテは現在地中海で操業を続ける唯一のトンナーラがあるマグロ漁のメッカである。トンナーラとはライスと呼ばれる漁労長率いるマグロ漁師達の出撃基地、兼加工場、兼飯場。マッタンツァと呼ばれる独特の漁法とともに今回その模様をあますところ無く取材してきたのでマグロ漁に関する詳細はおいおいアップしていきます。

Girotonnoの目玉でもあるCompetizione del Tonnoつまりマグロ料理大会はフランス、アメリカ、スペイン、日本、イタリア、ブラジルの6ケ国代表チームによって争われる。とはいえその参加しているシェフたちのほとんどがイタリアで活躍する料理人であり、イタリア料理とイタリアに関する理解度は非常に高い。ちなみに昨年の優秀は日本チーム。良くも悪くも世界のマグロ文化をリードする国だけにその料理法と文化に関してはイタリア人も一目置いている存在なのである。 マグロ料理大会は2チームずつが自慢のマグロ料理一品を提出。採点方法はというと10点満点で審査員11人、一般客約120人の投票で雌雄を決することになる。

審査委員長はIdentita Goloseで知られるイタリア・フード・ジャーナリスト界の第一人者パオロ・マルキPaolo Marchi。以下 Corriere della Seraのロベルタ・スキラRoberta Schira、Il Sole 24 Oreのフェルナンダ・ロッジェーロFernanda Roggero、Agrodolceのロレンツァ・フメッリLorenza Fumelli、フード・ジャーナリスト、エリジア・メンドゥーニElisia Menduniら現代イタリアを代表するトップ・フード・ジャーナリスト10人に加え、唯一の外国メディアSAPORITAから池田匡克が審査員として招待された。

2014年のマグロ料理対決第一戦、フランス対アメリカの闘いは港に作られた特設会場Palcoで夜20時に始まった。先攻のフランス代表はペルー、日本などでの経験を持つパリのミシュラン一つ星イティネレールItinerairesのシェフ、シルヴァン・サンドラSylvain Sendraで、今回の出場者中唯一イタリアで働いていないシェフである。その料理はマグロのニース風サラダInsalata di Tonno Nicoise 。これは軽く塩をしたマグロの赤身を表面だけグリルし、マグロのカマと骨、カツオブシでとったブロードとポモドリーニ、バジリコ、生ニンニク、ジャガイモ、トロペアのタマネギを添えたもの。2014Girotonno最初の料理ということで注目を集めたが、ブロードはニンニクとローリエの香りが強く、マグロの出汁も100%ではなかった。また、味も淡白で構成力とインパクトにやや欠けた、というのがインプレッション。

一方のアメリカ代表はというと1972年ネヴァダ州で生まれたティモシー・マギーTimothy Magee。リヴォルノに近い海辺の美食の町サン・ヴィンチェンツォのイル・サーレIl Saleでシェフを勤める。料理はマグロとワカメのスコッタートTonno scottao con alga Wakame。スコッタートは表面だけフライパンで火を入れる手法で、ワカメと一緒に真空でマリネしたマグロの中心はフランスと同じくほぼレア。それにムール貝のソースをかけ、チャルダを添えた料理で、食べる時にはマグロをチャルダで挟んでサンドイッチのようにして食べる。フランスとは対照的にこちらは足し算思考で濃厚な料理。審査員からはソースが濃過ぎてマグロの味が分からない、という声も。フランス代表のカツオブシ、アメリカ代表のワカメと、ともに日本食材を意識した濃淡対象な料理対決は結局審査員平均点フランス8.05、アメリカが同7.70でフランスが決勝に進んだ。SAPORITAの採点は以下の通り(10点満点で1点未満の採点は無し)。

Giudice Tecnica(技術点)  Presentazione(芸術点)

FRANCE     7                                                8

USA                             8                                                8

 

匡克 池田
About 匡克 池田 (1167 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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