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Su Cumbidu@Cagliari

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「サルデーニャ!」でも書いたが、カリアリで例の子豚のロースト「ポルチェッドゥ」を食べたくなっても、いつでも食べさせてくれる店というのはさほど多く無い。中でも唯一、といっていいのがこの「ス・クンビドゥ」。なにせ年中無休でしかもイタリアには珍しくノンストップ営業。平日の午後遅くでも日曜のランチタイムでも、いつでもポルチェッドゥが食べられるのだから利用しない手は無い。「ス・クンビドゥSu Cumbidu」とはサルデーニャ語であり、標準イタリア語なら「イル・コンヴィヴィオIl Convivio」つまり「共生、共有」ともに食卓を囲むという意味である。

 

 

「ス・クンビドゥ」は庶民的なレストランがひしめくローマ通り、カルロ・フェリーチェ広場、レジーナ・マルゲリータ通りに囲まれたカリアリ黄金の外食ゾーンにある。基本的にこの店にメニューは無い。というか書いてあるのはメニュー1前菜+メイン、メニュー2前菜+パスタ、メニュー3前菜+パスタ+メイン、という感じである。それよりも店のスタッフに「前菜食べますか?」と問われたなら。はい、とこたえれば次から次に庶民的かつ伝統的なサルデーニャの前菜がコルクの皿に乗って登場する。セロリ、ニンジン、トマト、二十日大根のピンツィモーニオ。キノコやカリフラワーのマリネ、パーネ・カラサウを敷き詰めた上に満載で登場するパンツェッタ、ラルド、サラミ、プロシュート、リコッタ、ペコリーノ・サルド。さらに空豆や羊の腸コラデッラとグリーンピースの煮込み、時にはカタツムリのトマト煮も登場する。これだけでも相当の量があり「果たしてゴールまで辿り着けるのか?」と一瞬不安になるが、プリモ、セコンドはいたって常識的な量である。パスタは2種類、ニョッケッティ・サルディ(マッロレッドゥス)とラヴィオリ・ディ・リコッタで、ともにトマトソース。これを平らげるとようやく登場するのがミルトの葉とともに登場するポルチェッドゥ。塩だけで調味した極めてシンプルかつじみ深い料理だ。しかしここで安心してはいけない。さらい登場するのが大皿にこれでもかと盛られた果物。ビワ、桃、スモモ、キイウイにオレンジ。さらにグエッフス、ソスピーリ、パパッシーナスなどのサルデーニャ伝統菓子とミルト酒。ワインはカラフにたっぷり(ほぼ)飲み放題。ゴールまで辿り着いたなら最後に驚くほどリーズナブルなお勘定が待っている。カリアリの良心、共生の食卓。サルデーニャの羊飼いの魂ここにあり。

 

Su Cumbidu

Via Napoli,11/13 Cagliari Tel070-660017 無休

匡克 池田
About 匡克 池田 (1159 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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