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Osteria Francescana@MODENA

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オステリア・フランチェスカーナOsteria Francescanaといえばミシュラン3つ星、World Best Restaurantイタリア最高位など数々の名誉あるタイトルを獲得し続ける、イタリアが誇る現在最高のレストラン。そのシェフ、マッシモ・ボットゥーラMassimo Botturaはメディアの人間からすると非常にサービス精神旺盛で、取材にも協力的。世界のトップ・シェフに必須の要素のひとつであるマスコミ対応も完璧なシェフである。

過日オステリア・フランチェスカーナにテレビの取材で伺った時のことである。夜の営業前の18時から23時過ぎまで、厨房脇にある秘密のシェフズ・テーブルで撮影していたのだが、ことあるごとにボットゥーラは「お腹はすいてないか?パスタ食べるか?」とスタッフに気を使い、それでも撮影中には何も食べないのが美徳、というような風潮がある日本のスタッフの心情を知ってか、まずは食べろ、と厨房に招き入れてあれこれ食べさせてくれたのだった。モルタデッラのパニーノの分解と再構築、非常に上品なタリアテッレ・アル・ラグー、そしてトルテッリーニ・イン・クレマ・ディ・パルミジャーノ・レッジャーノ。それは忘れもしない、2010年のフェスタ・ア・ヴィーコでボットゥーラ自らがサーブしてくれたあの忘れられないパスタだが、何よりも記憶に残っているのがその時真っ先に手を出したのが8月に亡くなったガンベロ・ロッソ創設者のステファノ・ボニッリだったことだ。

延々と撮影しては厨房で立ち食い、を繰り返す我々に最後には人数分のデザート「Oops!!」を持って来てくれた。これはチャルダが乗ったレモンのデザートだが、皿を落として割ってしまった!!という瞬間を表現している。

この日ボットゥーラが語ってくれた数々の哲学はTVのオンエア時にまたあらためて書くとして今回忘れられない出会いに、セコンド・シェフ紺藤敬彦「TAKA」氏との出会いがあった。ボットゥーラはこの15年の間に3人の日本人セコンド・シェフを起用したがその理由は日本人が持つ完璧主義と仕事への執念深さ故だという。紺藤氏がいつかボットーラの元を離れるとき、キャリア的にはイタリアで働く日本人料理人の最高位に上り詰めていることは想像に難く無いが、近年はイタリアの2つ星、3つ星から才能ある日本人料理人が続々と名を挙げている。フランスでは日本人シェフによるネオ・ビストロはじめ星付きレストランも誕生しつつあるが、そうしたムーブメントはやがてイタリアにも到達するはずである。同様の現象はすでにミラノやパドヴァなどの北イタリアを中心に起き始めているが、イタリアの星付きレストランの日本出店は成功しない、というジンクスにも似た現象が続く中、最先端のイタリアン・クリエイティヴを志向する日本人料理人の活躍の場は日本帰国よりもイタリア本国での独立開業、へとシフトしつつあるのかもしれない。

匡克 池田
About 匡克 池田 (1161 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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