火山島に1つ星誕生!!ミシュラン・イタリア2015最新事情4シチリア

今こうしてミシュラン・イタリア2015のページを繰ってみると、レストランの栄枯盛衰とは実に顕著だと実感する。その象徴がシチリアで、2002年から2003年にかけて「シチリア美食の王国へ」を書くために連続30日を含む合計60日ほどシチリア全土を食べ歩いたが、当時から現在まで10年以上星を維持しているのはDuomoとBye Bye Bluesしかいない。Il MulinazzoもCharlstonもFilippinoもLa Muciaraも星を失ったり姿を消したが、その変わりに新規1つ星獲得3件を含む合計12件のスター・ホルダーがそうしたシチリア美食の伝統を受け継いでいる。2015年度新規1つ星獲得店は以下の3件。

Cappero@Vulcano (Eolie)

I Pupi@Bagheria

Il Bavaglino@Terrasini

その昔、シチリアを代表する名店といえばリーパリ島の「フィリッピーノ Filippino」の名前が真っ先にあがる時代があったが、今年1つ星を獲得した「カッペロ Cappero」は同じエオリエ諸島の火山島ヴルカーノからの選出。Therasia Risort & SPA Hotelのメイン・ダイニングでシェフをつとめるクレシェンツォ・スコッティ Crescenzo Scottiはナポリ出身。レ・カランドレなどでキャリアを積んだ後2011年から同ホテルのエグゼクティヴ・シェフに就任した。

Il Bavaglianoは、パレルモ近郊のテッラシーニというから地図をみてみたらなんとプンタ・ライージ空港のすぐ近くでしかもパレルモ方面とは反対側に位置する。アルカモ生まれのシェフ、ジュゼッペ・コスタ Giuseppe Costaはカルロ・クラッコなどの元でキャリアを積みシチリアに戻った。

ところで、現在のシチリアを代表するシェフ、といえばすでに星を維持して10年以上経つラグーサ・イブラの2つ星Duomoのチッチョ・スルターノ Ciccio Sultanoだが2015年も2つ星が決まったあと、ホームページをのぞいてみるとこんなコメントを残していた。

Confermata seconda Stella Michelin 2015 a Sultano: “Siamo pronti a gestire anche la terza”

「スルターノ2015年も2つ星確定、しかし3つ星への準備はできている。」