「アレルゲンはすべてメニューに記載すべし」発令

明日12月13日より、EU内の飲食店では料理に含まれているアレルゲンをメニューに明記しなければならないという法律が施行される。飲食店だけでなく、原材料メーカーもラベルに記載しなければならないのだが、この法律に抗議活動を繰り広げているのは主に飲食店業界だ。

メニューを毎日手直しする店、不定期にメニューを変更する店はもちろん、メニューにないが本日のお勧めとして提案したい料理がある場合も、毎回アレルゲンを“メニュー上に”明記しなければならない。シンプルな伝統料理ではなく、クリエイティブ、コンテンポラリーと呼ばれる料理を提供する店も例外でなく、秘密にしておきたい材料もアレルゲンを含むものであれば記さねばならない。料理名よりも料理の説明よりもアレルゲン表記のほうが多いメニューなんて、アレルギーに悩む人には必要な情報だけれど、ちょっと滑稽な気がする。

さらに飲食店業界が問題視しているのは、原材料メーカーのラベルに落ち度がなければ、それ以外の素材(たとえば季節の野菜、魚、肉など)をも扱う飲食店が責任を取らねばならないという点だ。実際にアレルギー反応を起こしてしまった人がどの素材にアレルギーを起こしたかが明確にわからない場合、飲食店の責任になってしまう可能性がある。

すでにドイツ、オランダ、イギリスでは、お客の注文を受けて飲食物を提供する場合は、口頭でのアレルゲン説明を認めてほしいという嘆願が各政府に出されている。イタリアでは先だってヴェネトで飲食店業界が主体となったデモ活動が行われた。飲食物に対して厳しい基準が設けられるのは悪いことではないが、現場の混乱は想像するに余りある。それをどうやって乗り越えて(やりくりして)いくかのサバイバル戦、果たして勝者は誰なのか。

About Manami Ikeda 71 Articles
池田愛美 Manami IKEDA ジャーナリスト、コーディネーター 出版社に女性誌編集者として勤務後、1998年イタリアに渡る。旅と料理の分野でインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「ローマ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「伝説のトラットリア・ガルガのクチーナ・エスプレッサ」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「極旨パスタ」「最新版ウイーンの優雅なカフェ&お菓子」など多数。

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