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フィレンツェ、ナターレ、深夜0時

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暖冬の2014年12月24日23時過ぎ、人気の途絶えたチェントロ・ストリコを抜けて、ドゥオモ広場に向かうとそこだけ周囲とは隔絶されて黒山のひとだかり。ドゥオモ前に設置されているのはフィレンツェ近郊、テラコッタで有名なインプルネータ産のプレゼピオですが、クリスマス・イブの夜、赤子のキリスト像、ジェズ・バンビーノがプレゼピオ内にそっと置かれます。その時刻ともなるとフィレンツェ中から人々がドゥオモとジェズ・バンビーノを目指して集まり、やがて巨大なドゥオモ内では荘厳なクリスマスのミサがはじまるのです。フィレンツェ大司教によるミサの内容はというと、翌25日ローマ・サン・ピエトロ寺院のミサで法王フランシスコが語りましたが、中東で自由と人間の尊厳を守るために自ら命を絶つ女性がいるのは悲しむべきこと。パキスタンで女性が繰り返し殺害されるのはとても痛ましいこと。アフリカで多くの人がエボラ出血熱に倒れていること、そしてそのエボラと闘う人々もまた大勢いることに対し祈りを捧げましょう、という時事性に富んだ強いメッセージでした。

深夜のミサが終わってドゥオモの外に出てみれば、東京のイルミネーションと比べるならばおそらくはとても暗い、いい意味で中世の名残を残した控えめなフィレンツェの夜景ですが、今年はネプチューンの噴水がクロマティック・ライト、変色照明でライトアップされていました。フィレンツェ、ナターレ、深夜0時。人気もまばら、ドラマチックな彫刻のみが息をひそめて古都を見つめる、ルネサンス以来変わらぬ美しき時間帯。

匡克 池田
About 匡克 池田 (1145 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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