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Antico Cafe Greco@ROMA

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1760年創業、ローマ老舗協会にも名を連ねる、おそらくローマでもっとも名高い老舗のひとつ。しかしいまどき「カフェ・グレコ」を目指す旅行者がどれほどいるのだろうか?ローマにおける老舗は残念ながらほぼ全てがツーリスティックと同意語となってしまっているが、その代表例がおそらくこのカフェ・グレコであろう。カサノヴァが、ゲーテが、キーツが、シェリーが訪れたカフェとしての敷居はまだかろうじて高く保っているものそうした栄光は今や昔。常々そう思っていたが最近二度ほど訪れる機会があり、あらためてその存在意義を再確認することができた。イタリアの老舗カフェの例にもれずカメリエーレの教育はきちんと行き届いており、サービスは上等、この手の店にはかならずいる白髪のベテラン・カメリエーレはつねに全てのテーブルに目を見張らせている。料金は当然のことながら安くは無いがこれは名画鑑賞料と思えばそう気にもならない。とはいえ店に流れる空気感をもって主立ったイタリアの老舗カフェのステイタス度を比べるならば、どうしてもカフェ・フローリアン@VENEZIA>カフェ・ムラッサーノ@TORINO>カフェ・ジッリ@FIRENZE>カフェ・グレコ@ROMAとなってしまう。

こうした老舗カフェに漂う空気感は無限の時間の堆積こそがなせる無形財産であり、いくら贅を尽くしたところで一朝一夕には成り立たない。格は高いにしてもカフェ・グレコは度重なる改装でそうした空気感を失い、店の空気からは時間の堆積が感じられないのはなんとも残念である。しかし立ち飲みコーナーも、パニーノも充実しているのでとかくバール難民になりがちなスペイン広場周辺でカフェを飲みに立ち寄るならこの店は一番手である。しかしそれは単なる立地的条件からくる使いやすいバール、という意味であって旅先でどうしても訪れたいカフェ、という意味では決してない。ローマでもヴェネツィアでもフィレンツェでもイタリアにおける快適さと快楽はどうしても支払う金額に比例し、それをある意味付加価値を加味してコスパとも呼ぶが、そうした意味ではカフェ・グレコのコスパは他の老舗カフェに比べると決して高くは無い。

http://www.anticocaffegreco.eu/

Masakatsu Ikeda
About Masakatsu Ikeda (1143 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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