EVオリーブオイルの継ぎ足し禁止条例のその後

昨年11月25日に「レストランでは継ぎ足し不能の中蓋を装着したEVオリーブオイルを提供すべし」条例、いわゆる“イタリアのオリーブオイルを守る法”が施行されて4ヶ月が過ぎた。未だに継ぎ足し可能なボトルをテーブルに乗せている店もあるなか、ルールに真面目に従っている関係者から疑問の声が上がっている。曰く、EVオリーブオイルの売上が落ちてしまったと。

継ぎ足し不能な中蓋を装着した瓶だと、注ぎ口から出る量が少なくなる。つまり、従来の中蓋を使ったボトルに比べ、継ぎ足し不能中蓋を使ったボトルでは中身の減りが遅くなるという。おかげで新規注文が4割減ったという生産者もいて、ダイエットをしている人にはいいかもしれないが、生産者にとっては死活問題につながると嘆く。

しかも、この継ぎ足し不能中蓋は、実はナイフなどでこじあけることができるものもあり、心ない経営者の店では中身の継ぎ足しをこれまでどおり行っているという告発の声もある。いずれにしても、この中蓋のおかげでオイル消費のスピードが落ちるのは同じで、隠れて継ぎ足しをしている店はさらに利益を得ていることになる。

瓶詰作業を自ら行う生産者は、レストラン向けのためだけに継ぎ足し不能の中蓋仕様にするのは割りに合わないからと、一般消費者向けも全て同じ規格にするところが増えている。ということはつまり、こちらの分野でもオイルの消費スピードが落ちて売上が減ることが予想されている。イタリアのオリーブオイルを守るどころか、苦境に追い込んでいると揶揄されているこの条例、果たして今後どのような経過を辿るのだろうか。