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シチリアの食を堪能するAntica Marina@CATANIA

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2003年1月、「シチリア美食の王国へ」の取材で初めて訪れて以来、カターニアに来るたびに幾度となく訪れてはその豊饒なシチリアの海の幸に驚かされて来たのが、ペスケリア市場にあるトラットリア・アンティカ・マリーナだ。なんといってもアンティカ・マリーナ最大の魅力は、その厨房が東シチリアで最も活発な市場に直結していることである。現在は小さなテラス席もあるが店の前では、マグロやカジキを売る男たちが声を荒げながら客を呼ぶ。そうした人ごみをかきわけてアンティカ・マリーナに辿り着くことができたら、あとはオーナーのサルヴォにまかせれば、次から次にシチリアの美味がテーブルに運ばれて来るはずだ。

昼でも夜でも予約は必須だが、もし幸運にも厨房前のテーブルを獲得することが出来たら、それはアンティカ・マリーナの特等席だ。シチリアならではのおまかせ前菜が次から次へと飛ぶように運ばれてゆくのを眺めているだけでもテンションは高くなり、料理への期待感が高まる。定番も含めて前菜はおよそ20種類。これが一口サイズの小皿で人数にあわせて10種類から時には15種類ほど運ばれて来るのだが、ある日の前菜はこうだった。ズッキーニとマグロのマリネ、ルピーニとよばれる小さな貝のソテー、揚げダコのマリネ、バッカラとフラゴリーノ、カポナータ、タコのサラダ、小エビのマリネ、イワシのマリネ、イワシのスカベーチェ、フォルマッジョ・ラグサーノのオイル漬けなどなど。これが前奏曲である小皿前菜で、そのあとに登場するのがいわゆるカルパッチョというか生魚の盛り合わせ。マグロ、サーモン、シラス、ハタなどの新鮮な切り身をオリーヴオイルと塩、レモンで食べる。さらにこの日はカツオのタタキ風タリアータと、アンティカ・マリーナに来たら忘れてはいけない小イカ、セッピオリーニのフリットが登場した。新鮮な小イカにセモリナ粉をつけて揚げたこのフリット、一度食べたらああ、またシチリアに行きたいと思わせること間違いない危険な料理だ。席についてからここまで所要時間わずか30分。東シチリアの海の幸をありとあらゆる調理法で味わい尽くし、すでに目的は達成したような気持ちになるが料理はまだまだ続く。

パスタはおまかせで通常2種類。ウニのリングイネと、マウロという地元の海藻とムール貝のスパゲッティが続き、ここでひといきついてセコンドはどうする?と再びサルヴォが現れる。カジキのパレルモ風とカサゴのアクアパッツァまでたどりつければシチリア料理に対する欲望に似た思いは成就する。ワインはG.Milazzoのロゼ・スプマンテとサリーナ島の辛口ズィビッボ、Tenuta Capo FaroのDidyme。究極の食卓。

Antica Marina
in via Pardo,29 (Pescheria) CATANIA
Tel095-348197 12:00〜15:00, 19:00〜23:00 水休
www.anticamarina.it 要予約、予約は電話のみ

Masakatsu Ikeda
About Masakatsu Ikeda (1148 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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