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正しい伝統料理リストランテ、Osteria del Tempo Perso@Ostuni

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プーリアの真ん中あたりに“白い町”は幾つかあるが、一番有名なのはオストゥーニだろう。毎年塗り替える壁はしみ一つなく、それでも妙な真新しさは感じさせない。やはり冬の間に真っ白に塗り直すカプリが、やや厚化粧すぎて落ち着かないのに比べ、オストゥーニの白さはごく自然な感じがする。しかし、オストゥーニは素朴なだけの白い町ではない。夜ともなれば、レストランやラウンジバーのような店がそこここに口を開け、夏はちょっとした歓楽街となる。とはいえ、あくまでもプーリアの田舎らしいのんびりムードで、ミラノやローマのような喧噪とは無縁だ。

昼にロコロトンドのLa Taverna del Ducaで家庭料理を堪能したから、夜はリストランテ料理を試すこととする。オストゥーニの大聖堂から細い階段路を下りて少し行ったところのOsteria del Tempo Perso。1983年創業の結構有名な店だ。何が有名かというと、まずその店の造り。岩を掘りぬいた洞窟で、1500年代の昔よりパンを焼く窯として使われていた場所が、壁はそのままに客席となっている。もう一つホールがあり、そちらはプーリアの農家が使ってきた道具や生活雑貨を壁一面に飾った博物館風。というわけで、地元民というよりは観光客に人気のある店となっている。

メニューは土地伝統の料理を中心にしつつも、ローマ名物のカルチョーフィ・アッラ・ロマーナやカンパーニア州お得意のナスのパルミジャーナなど当地以外の南イタリアの人気料理もおさえ、さらにはトスカーナのサラミまで用意している。かといって、なんでもあるが冴えない観光レストランではなく、料理は至って真っ当だ。そして、サービスは迅速かつ丁寧、しかもスマイル付き。大人数のわがままだって辛抱強く聞いてくれるのである。

突き出しのナスのポルペッティーネの後、前菜はおまかせ6種類。先のカルチョーフィやナスのパルミジャーナのほか、ブラータとカポコッロ、花ズッキーニのフリット、丸麦のクリーム煮トリュフ風味、緑野菜のスフォルマート。プリモは、全粒粉のストラシカーティ・菜の花とアンチョビとモッリーカ(パン粉)のソース、グアンチャーレとペコリーノのチカティエッリ。セコンドは仔羊のスコッタディート・じゃがいものオーブン焼き添えと魚貝のフリット・ミスト。仕上げのカフェとともにアマレーナジャムを詰めたアーモンドのビスコッティ。どれもこれも見事に味のスイートスポットをついてくる。名ばかりのリストランテではない、基本をきっちりおさえた王道を行く店である。

About Manami Ikeda (323 Articles)
大学卒業後、出版社に就職。女性誌編集に携わった後、98年に渡伊。以来ずっとフィレンツェ在住。取材とあらばどこにでも行きますが、できれば食と職人仕事に絞りたいというのが本音。趣味は猫と工場見学。
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