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ローマ美食散歩01相席御免のバッカラ食堂 Filettaro@ROMA

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街を歩けばどこもかしこも「ストリートフードあります」と書かれている看板を目にしないことがないほど、今のイタリアにはストリートフードがあふれかえっている。とはいえフィレンツェのランプレドットひとつ取ってみても分かるように、ひとくちにランプレドットといっても玉石混淆。流行っているから、というだけの理由で昨今始めたような店があまりに多すぎるのだ。ローマにしてもそれは同様というかさらに顕著で、名物のポルケッタを売る店も増えたし、ガブリエレ・ボンチに代表されるグルメ・ピッツァや、ピッツァ・ファルチータ、トラピッツィーノの模倣店も一気に増えた。そうした模倣店はやがて淘汰を受けるのは世の沙汰だが、模倣不可能、天上天下唯我独尊的存在でローマ生まれのローマ育ち、骨太なロマネスコたちの胃袋をぐぐっとつかんで離さないのが、バッカラのフリットを得意とするバッカラ食堂「フィレッターロ Filettaro」だ。

フィレッターロのメニューは極めてシンプル。フリットならばバッカラ€5.00かズッキーニ€5.00、あとはインサラータ、もしくはサラミ、チーズ、アッチューゲ、ソットーリオなどの冷たい前菜。デコラのテーブル席に着くや否や、店のスタッフが紙のテーブルクロスをささっとかけてくれ、パウチ張りのメニューをそっと置いてあわただしく立ち去る。頼むのは当然バッカラ、あとバレリアーナのインサララータ、アッチューゲ・エ・ブッロ。揚げたてで登場したバッカラはテイクアウトして食べながら歩く人も多いため、衣はかなりしっかりめでザクザク。この熱々を頬張りながら時折冷えたフラスカーティで口中の油を洗い流し、思い出したようにニンニクとアンチョビの効いたインサラータを食べる。アッチューゲ・エ・ブッロは読んで字の如くアンチョビ&バター。これでローマのパンを食べると一枚二枚とあっという間にパンがなくなる危険なつまみだ。さっと食べて席を立つ。これがローマ風、の粋なバッカラの食べ方なのである。

Largo dei Librari, 88, Roma  Tel06-6864018

匡克 池田
About 匡克 池田 (1145 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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