新世代ピッツァリアにもミシュランの星を

「グルメ・ピッツァ」という言葉を耳にするようになってから数年。イタリアの食の最新トレンドが集まるIdentita Goloseはじめガストロノミー界では新世代ピッツァに注目が集まっている。ピッツァの本場ナポリに対抗するわけではないが、こうしたムーブメントが起きているのは北イタリア、特にヴェネト地方。国産小麦を奨励する製粉所「ペトラ」や地元産の古代小麦を使い、長時間発酵させた胃にもたれない、軽くてヘルシー、時にはトッピングの食材も非加熱、という新世代ピッツァは重い、太る、胃にもたれる、油っこい、という旧型ピッツァのデメリットを解消し、ヘルシーな食生活を提案しているのだ。「もっちり」あるいは「ぱりぱり」というのが従来のナポリ、ローマのピッツァを表現する擬音語だとするならば、新世代ピッツァは「さっくり」「ふんわり」がキーワードとなる。

こうした新世代ピッツァはこれからもっと評価されるべきだというのはIdentita Golose主宰のジャーナリスト・パオロ・マルキ。

「パリではネオ・ビストロが、イギリスではガスト・パブが、日本ではラーメンがそれぞれ評価されてミシュランの星を獲得している。イタリアが誇る食文化ピッツァもその対象となるべきである。特にレナート・ボスコ、シモーネ・パドアンらはミシュランの星に値する」という。近年ローコスト、ストリートフード・ブームから猫も杓子もピッツァ&パニーノというトレンドが現れているが、ペトラが主宰する「パン・アカデミー」で小麦と発酵について体系的にきちんと学んだ新世代ピッツァ職人が次々に登場しており、こうした流れは今後も加速するものと思われる。写真はそんな新世代ピッツェリア「ベルベレ」。ボローニャ本店のあと、フィレンツェ店でも大成功し、さらにトリノ店もオープンする。最新の北イタリア、グルメ・ピッツァ・レポートはまた近日中に。