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Franceschetta 58@MODENA

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モデナのミシュラン3つ星「Osteria Francescana オステリア・フランチェスカーナ」は現在イタリアで最高峰のレストラン。考えうるあらゆるタイトルを獲得し、残るは6月にNYで発表される世界のレストラン・アワード「World’s 50 Best Restaurant」の世界1位ぐらいか(2015年度は世界第2位)。そのシェフ、マッシモ・ボットゥーラがプロデュースしたディフュージョン・ブラッセリー「Franceschetta 58 フランチェスケッタ58」が登場。予約が取りにくいレストランのセカンド・ラインとしてボットゥーラの世界をリーズナブルに体験できる場となっている。

昼はブッフェ・スタイルが中心だがアラカルトでは店名通り「ミニ・フランチェスカーナ」が味わえる。この日食べたのはボットゥーラ自らが選んでくれたデグスタツィオーネのコース。バッカラのマンテカートにポルチーニ・エキスを注いで食べる「Merluzzo nero mantecato, crema di ceci ed infuso di funghi porcini」から始まり、あちこちのフード・イベントで好評だという、遊び的ストリート・フードの中華蒸しパン「バン BUN」はボッリートと香味野菜をアジア風に味付けたもの。続くのが「フランチェスケッタ58」のイコン的料理であるボットゥーラ考案の「エミリア・バーガー Emilia Burger di Massimo Bottura」で、これは牛肉100%のハンバーグにイタリアン・パセリで作るサルサ・ヴェルデで食べるファーストフードへのアンチテーゼだ。近年イタリアではファーストフードのハンバーガーに対し、良質なイタリア産の牛肉に地域性を加味したハンバーガーが流行っている。

続いて登場したのは本家「オステリア・フランチェスカーナ」のスペシャリティでもある「トルテッリーニ・アッラ・クレマ・ディ・パルミジャーノ Tortellini alla crema di Parmigiano」。ボットゥーラいわく「世界で一番美味しいトルテッリーニ」というだけあってそのクオリティは「オステリア・フランチェスカーナ」と全く同じ。エミリア・ロマーニャ地方では祝祭料理であるトルテッリーニに上質なパルミジャーノのクリームは官能的以外の何者でもない。デザートは伝統菓子「トルタ・サッビオーザとマスカルポーネ・クリーム Torta sabbiosa dell’antica ricetta con crema al mascarpone e frutti di bosco」。「サッビオーザ」とは「砂にまみれた=ざらっとした」という意味だが、トウモロコシの粉とバターで作るビスコッティである。

ボットゥーラは若い料理人に対して「とにかく旅して、食べて、読んで、見て、いろんな経験をして自分のルーツを考えろ。1日24時間のうち、いかに勉強する時間を作るが重要だ」と語る。ボットゥーラの料理はイタリア的アイデンティティを根幹にすえながらも時に皮肉や啓発的なメッセージを料理に内包させている。そのメッセージをいかに読み解くか、がいわゆるフーディーズたちを熱狂させているのだが、そうした皿の上に隠されたメッセージは「フランチェスケッタ58」でも変わらない。「エミリア・バーガー」や「トルテッリーニ」から漂って来るのはボットゥーラが放つ無限のエネルギーとイタリア料理そのものについて考えさせる数多くのメッセージである。

Franceschetta 58
Via Vignolese,58 MODENA Tel+39-059-3091008
franceschetta58.it

匡克 池田
About 匡克 池田 (1161 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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