フランチャコルタと銀座ファロの期間限定コラボ、正式お披露目

イタリアのプレミアム・スパークリングワイン、フランチャコルタと、銀座・資生堂ファロのコラボレーションによる、ポップアップバー「Franciacorta×Faro Pop-up Bar(FF Pop-up Bar)が11月19日(木)から12月18日(金)までの期間限定でオープンする。

期間中、資生堂ビル10階のファロにあるバーカウンターで、ソムリエがセレクトした4種類のフランチャコルタがフリーフロー(8,000円 税込・サービス料別)で提供される。さらにその後、テーブル席に移って、今回だけの特別ショートコース(ヴィーガン6,000円またはガストロノミー7,000円 共に税込・サービス料別)あるいはアラカルト料理を味わうことも可能。引き続きフリーフローのフランチャコルタでディナーを楽しめるという趣向だ。

 

提供される4種類のワインは、りんごや蜜を思わせるフレーバー、補糖ゼロゆえのドライですっきりした後味の「Villa Crespia Cisiolo Dosaggio Zero」、白葡萄だけで造る気圧の低くきめ細やかな泡が特徴のサテン「Enrico Gatthi Saten」、イチゴなど赤い果実のニュアンスが広がるロゼ「Ferghettina Rose」、そして、イタリア最高峰の泡とも称えられるプレステージ「Ca del Bosco Anna Maria Clementi Brut」。

 

ワインに合わせ、能田耕太郎エグゼクティブシェフが考案したヴィーガンショートコースの一例を見てみよう。まずは八寸と題された前菜。組子細工がガラスから透かし見える器に4つのフィンガーフードが並ぶ。手前右がお米のチップスに山形の式部なすとローストしたヘーゼルナッツのピュレ、ドライの式部なすをあしらったもの、その左は高温で糖化させた菊芋のチップスと菊芋のピュレを層にし、コーヒーコンブチャのソースを隠し味に添えたもの、奥の右はビーツのジュースで戻した切り干し大根に、フェンネルと豆乳のクリームを添えたタルト、その左は、バジリコと香味野菜のピュレを野菜のゼリーで閉じ込めたカゼッタ(小さな家)。

 

能田シェフのシグネチャーディッシュである、じゃがいものスパゲッティ。2017年にアブダビで開催されたテイスト・ザ・ワールドで優勝した逸品で、コラトゥーラ・ディ・アリーチ(イワシの魚醤)とバターというイタリア人にとっては郷愁の味アンチョビ&バターからヒントを得た分解再構築料理。刺身のつまのように細く切ったじゃがいもを茹でずに油の中で加熱することによって、シャキシャキとした独特の食感を生かしている。そのヴィーガンバージョンでは、ココナッツクリームと自家製セロリ醤油で炒め、リコリスパウダー、レッドビーツパウダーで微かな甘味を与え、花穂紫蘇をあしらっている。甘み、鹹味のバランスが絶妙で印象的な一皿。

続いて、白石蓮根のラヴィオリ。佐賀県の重粘土の土壌で育つ白石蓮根を歯ごたえを残すようにカットしたものとそのピュレを合わせ、同じ佐賀県産三福海苔を加えてラヴィオリに仕立てている。にんじん、玉ねぎ、セロリのブロードは、野菜だけとは思えないほどに味わい豊かで奥深い。

セコンド的な一皿は、椎茸のファルスと茸コンソメのリダクションソース。大分県産290椎茸の中に、干しぜんまい、発酵ビーツ、ポルチーニ茸を詰めてローストしたものに、香味野菜のスープを煮詰めたリダクションソースを添えている。ほうれん草のピュレのコク、水分を抜いたほうれん草のパリパリとした食感も楽しい。

デザートは紫蘇とアーモンドのソルベ。シチリア・ノートの特産であるアーモンドを乳製品を使わずにソルベにし、アーモンドミルクの葛餅をまとわせ、紫蘇の葉のチップ、微発酵させた紫蘇のソースをあしらっている。アーモンドの甘い香りが広がり、紫蘇のかすかな渋みがすっきりとした気分にさせる。白と赤のコントラストも鮮やかで、禅的なシンプルさが際立つデザート。

そしてもう一つ、アラカルトより、色とりどりの小さな花々とハーブが織りなす、見目麗しい花のタルト。奈良県山口農園から毎日届く、無農薬自然農法で育ったハーブと花は、里山の女性たちが一つ一つ手で摘んだもの。そのほかに沖縄の自然農法の花、さらに独特の優美な雰囲気をもたらすイタリアのハーブも忍ばせている。花の下には、お米と豆乳、葛で作ったクリーム、そしてマカデミアナッツとアーモンドのビスコット。パスティッチエレの加藤峰子さんによると、フランチャコルタという優雅なワインとのペアリングで、エレガンスを追求したヴィーガンのコースの締めくくりに、ほんの少し人と自然の関係を考えたり野生を感じて欲しいと願い、手で食べるデザートに仕立てたという。

添えられたメニューの説明の最後に、全ての花の名前が記されていた。

藍の花、アキノキリンソウ、アップルミント、アンゲロニア、イタドリ、イヌダテ、ウイキョウ、オレガノ、キバナコスモス、孔雀草、コウガギク、小菊、秋桜、山椒、シオン、シシウド、紫蘇の花、シュウカイドウ、シュウメイギク、スズメウリ、タイム、ダリア、チェリーセージ、長命草、ツルムラサキ、野菊、ノコンギク、バジル、ハブトウの花、バラ、フェンネル、ブラキカム、ブルーセージ、ベゴニア、ペパーミント、マリーゴールド、ミゾソバ、ミントマリーゴールド、大和当帰、ユウゾメ、ヨモギ、ルーコラ、ルビーローゼル、レモンバーム、ローズマリー、和ハッカ

これだけの花が小さなタルトに全ておさまっている。ひと口食べると冗談抜きで百花繚乱とはこのことかと思う。自然の恵みを一瞬で味わう究極の贅沢である。

 

FF Pop-up Bar(バー、食事ともに要予約、ディナーのみ。ショートコースの内容は変更の可能性あり)

資生堂FARO

tel.0120-862-150/03-3572-3911(電話予約受付時間:11時〜22時、営業日のみ)

定休日:日曜、月曜、祝日、年末年始

https://faro.shiseido.co.jp

 

フランチャコルタ協会

フランチャコルタは、ロンバルディア州ブレーシャ県で伝統的にフランチャコルタと称す地域内で生産される、イタリアで初めてDOCGを獲得した瓶内二次発酵によるスパークリングワイン。同協会は、生産ルールを尊重、保証し、監視する団体で、1990年3月5日に設立。本部はフランチャコルタ中心部のエルブスコにあり、会員生産者数は116。