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料理の永世定番03ソスタンツァ(無料公開)

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創業1869年、長年変わらぬ定番メニュー

店名の意味は「本質、栄養物」。本当の食堂とはこうあるべし、という哲学がその名にこめられたトラットリアである。

かつては作業服風制服姿の超ベテラン、彫りが深くワシ鼻のコワモテ・カメリエーレたちが幅をきかせ、一見さんには敷居が高い店、というイメージがあったが代が替わって主役は彼らの息子たちとなり、空気はやけにマイルドになった。それでも厨房を守るのは先代からつかえる超ベテラン料理人マリオ。「ソスタンツァ」の代名詞的存在の質実剛健料理人なのだ。

店内には大きな長テーブルが数卓置かれているが、基本的には相席御免で観光客も常連もカップルも一緒の卓に着く。

メニューはシンプル極まりなく、現代巷に広まるイタリア料理から華美な装飾を徹底的にそぎ落としていった末にようやく到達できる、という無我の境地にも似た世界。

「パスタ・アル・ブッロ」は茹でたパスタにバターを乗せただけのまかないのような料理。「四分の一茹で鶏」は読んで字のごとし。とはいえこうした日常の食卓に通じる簡素な料理は何度食べても食べ飽きない。現に毎日通って50年(!!)という生き証人のような職人も昼時には毎日現れる。

Tortino di carciofi トルティーノ・ディ・カルチョーフィ

鉄のフライパンを使い、アーティチョークを卵で包むようにふんわりと焼き上げた名物料理。フィレンツェの老舗に多いが「ソスタンツァ」が発祥の地とも。

Bistecca alla Fiorentina ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ

炭火で焼き上げた香ばしいビステッカはフィレンツェで一番ともっぱらの評判。一人前(約500グラム)から頼めるので、一人ビステッカも十分可能。

Brodo in tazza ブロード・イン・タッツァ

牛や鶏の茹で肉料理「ボッリート」のブロードを味わう料理。ブロードは家庭ならともかくレストランでは飲めないことが多いが「ソスタンツァ」なら可能。

Stracotto alla Fiorentina con fagioli ストラコット・アッラ・フィオレンティーナ・コン・ファジョーリ

長時間茹でてほろほろになった牛肉を薄切りにし、ラグーソースをかけた料理。つけあわせにはフィオレンティーニ大好きの白インゲン豆のトマト煮込みを。

 Trippa alla Fiorentina トリッパ・アッラ・フィオレンティーナ

牛の胃袋「トリッパ」をトマトと煮込んだフィレンツェの伝統料理。こちらは1人前のトリッパをオーブンで焼き、パルミジャーノをかけたグラタン風。10ユーロ。

Pasta al burro パスタ・アル・ブッロ

質実剛健を地でゆく、かの有名なバター・パスタ。時としてパルミジャーノと黒胡椒がかかったサービス・バージョンも登場するがこちらがデフォルト。8.50ユーロ。

1/4 Gallina bollita ガッリーナ・ボッリータ

大鍋で丸ごと茹でた雌鳥を四分の一に切り分けた料理。サルサ・ヴェルデなどのソースはつかないので味付けは各自卓上の塩でセルフ。鳥の旨味をしみじみ味わえる。8.00ユーロ。

先代からの共同経営者であるシェフのマリオは毎朝早くから仕込みに精を出す。マリオの機嫌が悪いとなんとなく店の空気も固いが、基本的に料理好きのいい人。

住所 Via del Porcellana,25r
tel 055-212691
営 12:30〜14:00、19:30〜21:45
休 土、日、祝休
URL 無し

匡克 池田
About 匡克 池田 (1159 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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