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料理の永世定番06カッミッロ(無料公開)

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ポンテ・ヴェッキオからわずかな距離にある「カッミッロ」もまた、激動の時代を生き抜き、フィレンツェ・レストラン史の変遷を見守って来た老舗の一件である。

第二次大戦中に食料品店として創業したものの爆撃を受け、現在の場所に移転したのが1945年。以来60年あまり、店も古ければスタッフも古い。勤続20年など序の口で40年クラスの超ベテラン・カメリエーレもいる。厨房も昔のままならばメニューもそのまま。

メニューで気になるのは一連の「カレー」メニューなのだが、これは当時ヴェネツィア方面で流行っていた料理を創業者カッミッロが取り入れたもので半世紀経ってもまだメニューに残っている。「カッミッロ」出身のウンベルトが後に開く「ブカ・デッロラフォ」にもカレー料理は残っている。

こうした老舗に残る温故知新の料理は、戦後間もないフィレンツェの味をかみしめるにはまたとない機会でもある。

バターや生クリームを使った料理が多いのも一昔前のイタリア料理店の特徴。イマドキのイタリア料理には背を向ける、昨日今日イタリア料理を食べ始めたわけではない猛者には懐かしくなること請け合いの味。

Gamberi di Sicilia al curry e riso ガンベリ・ディ・シチリア・アル・カリー・エ・リゾ

シチリア産の新鮮なエビをソテーしたあと、生クリームとカレー粉を加えてさっと作る、イタリア風カレーは実はフィレンツェの定番。50年代から続く昔風料理。

Fritto misto di verdura フリット・ミスト・ディ・ヴェルドゥーラ

カリフラワー、ニンジン、ズッキーニ、ナスなど季節の野菜をさっくり揚げた熱々フリット。「カッミッロ」にはフリット専門の料理人がいるほど揚げ物が人気。

Tortellini al curry トルテッリーニ・アル・カリー

カレー・パスタ、はフィレンツェにあった!!こちらも最近始めた創作パスタでなく、長年続く定番メニュー。いわば50年代のヌオーヴァ・クチーナ・イタリアーナ?

Frittata di carciofi フリッタータ・ディ・カルチョーフィ

「カッミッロ」のフリッタータはアーティチョークをソテーした後に卵を薄くひき、ぱりぱりにまとめる。ふんわり系もおいしいが、このぱりぱり系もやみつきの味。

Costola di vitella alla milanese コストーラ・ディ・ヴィテッラ・アッラ・ミラネーゼ

いわゆる子牛のカツレツ「ミラネーゼ」に新鮮なトマトとルーコラをふんだんに乗せて食べる。ルッコラの苦みとトマトの酸味がカツレツと良くあい、気づけば完食。

Ceciata di suino della casa チェチアータ・ディ・スイーノ・デッラ・カーサ

こちらはキアラさんのオリジナル料理。さいの目に切った豚肉をソテーしたあとエジプト豆(チェーチ)とビオトラを加えて炒めたもの。常連が頼む名物料理。

中世の歴史的建造物の一階にあるリストランテ。レンガで編まれたホールの天井はルネサンスの頃から存在し、まるで中世の食堂で食事しているような気分にさせてくれる。

巨大なオーヴンのある厨房では、大勢の料理人が忙しく働く。「今日はいい鮭があるよ」とその日のおすすめを教えてくれることも。

季節代わりのドルチェも人気で、こちらは秋にのみ登場する柿のティラミス。とろり完熟の柿はマスカルポーネ・チーズと抜群の相性。

住所 Borgo S.Jacopo,57r
tel   055-212427
営  12:00〜14:30、19:30〜22:30
休 火、水
URL 無し

匡克 池田
About 匡克 池田 (1159 Articles)
1967年東京生まれ。イタリア国立ジャーナリスト協会会員、フォトジャーナリスト。日本で出版社勤務後独立、1998年よりフィレンツェ在住。「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「フィレンツェ美食散歩」「伝説のトラットリア、ガルガのクチーナ・エスプレッサ」など著書多数。2011年に池田愛美と株式会社オフィス・ロトンダ設立。国際料理コンテスト「Girotonno2014」「Cous Cous Fest2014」で日本人初の審査員となる。 http://www.office-rotonda.jp https://www.facebook.com/ikedamasa
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