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Articles by Manami Ikeda

About Manami Ikeda (325 Articles)
大学卒業後、出版社に就職。女性誌編集に携わった後、98年に渡伊。以来ずっとフィレンツェ在住。取材とあらばどこにでも行きますが、できれば食と職人仕事に絞りたいというのが本音。趣味は猫と工場見学。

ローマ下町料理を紐解く その2 Coda alla vaccinara

2015年6月18日

コーダは尻尾、ヴァッチナーラはヴァッチナーロ風、つまり肉屋風。日本語では一般的にオックステールの煮込みと訳している。『La Cucina Romana e del Lazio』の著者Livio Jannattoniによれば、コーダはクイント・クアルト(モツ)の“女王”であり、コーダ・アッラ・ヴァッチ... [続きを読む]

ローマ下町料理を紐解く その1 Coratella

2015年6月16日

コラテッラcoratellaとは、牛よりも小さな動物のコラータcorata(モツ)のことで、具体的には仔羊(agnello)、乳飲み仔羊(abbacchio)、仔ヤギ(capretto)の肺、心臓、レバー、場合によっては小腸も含む内臓類を指し、これらを炒め煮した料理をもコラテッラと呼ぶ。 新鮮な内臓... [続きを読む]

ほんもののローマ下町料理Agustarello@Roma

2015年5月31日

リストランテ「アグスタレッロ」は、ローマの下町テスタッチョ地区にある。現主人アレッサンドロ・コンメントゥッチの父親が始めた店だ。 ローマ中心地を蛇行したテヴェレ川がその流れをまっすぐ海に向かって進み始めた辺りで、川をはさんで北はトラステヴェレ地区、南がテスタッチョ地区となる。どちらも下町と呼ばれてい... [続きを読む]

南イタリアの底力を見た陶器の街Grottaglie

2015年5月29日

プーリア滞在最後の日をどう過ごすか。アルタムーラや越境してマテーラに足を伸ばす案もあったが、移動の時間が長いのが勿体ないということで、急遽浮上したのがグロッターリエ行き。プーリアの陶器の街だが、今ひとつ情報がなくて、これまで全くマークしていなかった。ところが先日ロコロトンドのLa Taverna d... [続きを読む]

航海図という名の魚貝料理店Portolano@Gallipoli

2015年5月29日

モンダドーリ社のガイドブックは写真や図説が豊富で、町の成り立ちや見どころがわかりやすくて便利である。何よりグラフィックデザインが美しく、見ているだけで旅情をそそられる。巻末にはちょっとした工芸品情報が載っていて、「プーリア」編には、ガッリーポリは漁師が作る籠で知られているとあった。籠好きとあらば見逃... [続きを読む]

「トスカーナ 美味の教え」を読む

2015年5月27日

フィレンツェに住み始めた頃、トスカーナの田舎へ出かけたことがあった。シエナの南へ行くと、ゆるやかな丘の続くいわゆるトスカーナ的風景が広がる。緑の丘の上の石造りの家に向かって糸杉の並木が続いていたり、忽然と糸杉の群れが現れたり。同行したフィレンツェ在住○十年の人に、「あれは、見栄えを意識して植えたのか... [続きを読む]

正しい伝統料理リストランテ、Osteria del Tempo Perso@Ostuni

2015年5月26日

プーリアの真ん中あたりに“白い町”は幾つかあるが、一番有名なのはオストゥーニだろう。毎年塗り替える壁はしみ一つなく、それでも妙な真新しさは感じさせない。やはり冬の間に真っ白に塗り直すカプリが、やや厚化粧すぎて落ち着かないのに比べ、オストゥーニの白さはごく自然な感じがする。しかし、オストゥーニは素朴な... [続きを読む]

サレント家庭料理の華、Le Zie@Lecce

2015年5月26日

パスタの道を辿る時に避けては通れないのがサレント半島。レッチェを中心とするアドリア海とイオニア海にはさまれたイタリア最東端の地域である。古代ギリシャの植民によって草創期は著しく発展したが、後に繁栄した中部イタリア以北のヨーロッパから半ば取り残されたために独自の生活様式がしぶとく生き残った地域でもある... [続きを読む]

元気なお母さんの店La Taverna del Duca@Locorotondo

2015年5月23日

プーリア州ロコロトンド。世界遺産の町アルベロベッロの隣、この界隈に多い”白い町”の一つだ。夏の暑い日射しをあびてまぶしいくらいに輝く白い町は、日中は高い気温を避けて人々は出歩かない。静かな路地の裏のまた裏を彷徨っていると突然賑やかな声が聞こえてくる。そこは、元気なお母さんAntonellaが切り盛り... [続きを読む]

イタリアの手仕事、女編みの籠

2015年5月20日

イタリアの手仕事というと、革細工、木工、金銀細工、刺繍、レース編みなどさまざまあるが、そのなかでも最も庶民的なのは籠編みではないだろうか。陶器というものもあるが、南イタリアの素朴な暮らしの道具的雑器からファエンツァの美術館に所蔵されているような繊細で高貴なオーナメント的陶器までバリエーションは幅広い... [続きを読む]

EVオリーブオイルの継ぎ足し禁止条例のその後

2015年4月23日

昨年11月25日に「レストランでは継ぎ足し不能の中蓋を装着したEVオリーブオイルを提供すべし」条例、いわゆる“イタリアのオリーブオイルを守る法”が施行されて4ヶ月が過ぎた。未だに継ぎ足し可能なボトルをテーブルに乗せている店もあるなか、ルールに真面目に従っている関係者から疑問の声が上がっている。曰く、... [続きを読む]

イタリアのパン現代事情 ダヴィデ・ロンゴーニの場合

2015年4月20日

イタリアで美味しいパンに出会うことはあまりない。スーパーで売っているものはもとより、自家製を謳うパン屋のものでも、さして美味しいと思えないことが多い。その理由を解き明かし、そしてほんとうに美味しい本来のイタリアのパンを作っているのが、ミラノ郊外モンツァに工房を構えるダヴィデ・ロンゴーニだ。 大学を卒... [続きを読む]

ローマ伝統料理、14年ぶりの復活

2015年3月20日

狂牛病(BSE)の発生によって、イタリアの食生活は少なからぬ影響を受けてきた。2001年にEUの食品衛生委員会による狂牛病対策条例が施行されて以来、数々の伝統料理が“追放”の状態にあった。牛肉はその産地、生育地、精肉処理地を明記した個体別のエチケットがないもの、及び非可食の部位(おもに内臓)は流通を... [続きを読む]

第9回Olio Capitaleに行ってみた

2015年3月15日

去る3月7日から10日までの四日間(最終日は半日だったので、正しくは三日半)、トリエステで第9回Olio Capitaleが開催された。トリエステ商工会議所が主催するエクストラ・ヴァージン・オリーブオイル見本市である。通常、見本市というものは業界内のバイヤーを対象としていることが多いが、このオリオ・... [続きを読む]

アマトリチャーナににんにくは是か非か

2015年2月19日

カルボナーラに生クリーム、アマトリチャーナににんにく、ペスト・ジェノヴェーゼにバター。このなかで間違いはどれでしょう。 レシピにおける厳格な伝統主義者であれば、これは全て間違いだと断言するだろう。ところが、有名なシェフが「こうすればもっと美味しくなる」と推奨したら? そうかもしれないと試す人、あのシ... [続きを読む]

ガルガのクチーナ・エスプレッサ00ガルガ伝説、ある伊達男とある善良な男の物語(無料配信)

2015年1月24日

ルネッサンスが華開き、その五百年前当時の街並をほぼ維持しているフィレンツェには、古くからのレストランが結構残っている。数百年とまではいかないが、二百年、百年の歴史を誇る店も少なくない。それら老舗レストランでは、伝統的なトスカーナ料理を出し、伝統料理を頑に愛する地元民やせっかく古都に来たのだからと伝統... [続きを読む]

シチリア美食の王国へ00はじめに(無料配信)

2015年1月7日

なぜイタリアなのか。 これはイタリアに初めて旅した十数年前からのテーマである。イタリアを好きという人は多い。イタリアブームは終わらないとまでいわれているが、どうしてこんなに惹かれるのだろう。人によっていろんな理由があるだろうが、私達にとっては「イタリア=食の地」である。それも飾り立てること無く、スト... [続きを読む]

イタリアの麻の布を訪ねて@Coazze, Piemonte

2014年12月15日

ローマに住む知人がイタリアの麻を紡いで布を織っていると聞き、イタリアの麻という言葉に引っかかって、この国にそんな産業があるのかと興味を抱いた。話をよく聞いてみると、第二次世界大戦まではイタリアの各地でごく普通に麻が栽培され、庶民(農家)はその麻から繊維を取り出して紡ぎ、布を織ってシャツやワンピース、... [続きを読む]

「アレルゲンはすべてメニューに記載すべし」発令

2014年12月13日

明日12月13日より、EU内の飲食店では料理に含まれているアレルゲンをメニューに明記しなければならないという法律が施行される。飲食店だけでなく、原材料メーカーもラベルに記載しなければならないのだが、この法律に抗議活動を繰り広げているのは主に飲食店業界だ。 メニューを毎日手直しする店、不定期にメニュー... [続きを読む]

オリーブオイルガイドFlos Olei 2015発表会@Roma

2014年12月9日

イタリアでオリーブオイルのガイドブックは幾つかあるが、世界各地のオリーブオイルを取り上げ、オイルはもとより生産者の栽培製造方法により重点を置いて評価しているのは、Marco OreggiaとLaura Marinelli責任編集による「Flos Olei」(伊語・英語併記)だけである。去る11月29... [続きを読む]

レストランのEXVオリーブオイルは本日より注ぎ足し禁止

2014年11月26日

今日、11月25日より、イタリア全国のレストランで客席に供すエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルの瓶はすべて、“注ぎ足し不能”でなければならないという条例が施行された。消費者にエクストラ・ヴァージン・オリーブオイルの質を保証するために、ボトルのエチケットに書かれているもの以外のオイルがレストラン裏... [続きを読む]

Panificio S.Forno@Firenze

2014年11月22日

アルノ川の南側、オルトラルノにこの秋、一軒の新しいパン屋が登場した。名前は「s.forno」。窯から出すsfornareと、経営するエノテカ・リストランテのSanto BevitoreのSをかけたらしい。天然酵母を使った薪焼きのパーネ・トスカーノ、フォカッチャ、バゲット、ビスコッティのほか、マフィン... [続きを読む]

Pizzeria Berberè@Firenze

2014年11月22日

ピッツァ後進国のフィレンツェは、満足のいくナポリ・ピッツァを見つけることすら苦労するのだが、昨今各地で発生しているグルメ・ピッツァの店がとうとう上陸、これで“美味しいピッツァ”を食べたいという欲求を満たすことが叶うようになった。そもそも、フィレンツェでピッツァといえば、少しでも冷めれば堅くなるか、や... [続きを読む]

I Vini della Costa Toscana試飲会

2014年11月1日

イタリアワインの生産者はDOCやDOCGなど認定単位での組合や協会を設立して活動するほかにも、さまざまな理由づけをして連帯を組み、共同でイベントやプロモーションを行う。特に、トスカーナやヴェネトにその傾向が強い。去る10月29日にフィレンツェの中央市場2階のイベントスペースで開催されたVini de... [続きを読む]

Barilla Insieme Day

2014年10月29日

去る10月7日、パルマのバリラ社において、ジャーナリストやマーケティングなど食分野の活動に携わる人を対象とした一日セミナー「Barilla Insieme Day」が開催された。会場はパルマ市内にあるアカデミア・バリラ、100人収容のホールがほぼ満席となる参加者が集まり、「これからの食のありかた、そ... [続きを読む]

Natale前にひっそりと“死者のパン”

2014年10月29日

10月後半のミラノ。パスティッチェリアのウインドウにはパネットーネが姿を表し始める。ハロウィンの飾り付けをしているところもあるが、それと同時にクリスマスに向けてパネットーネを売り込む店が多い。大きくて目立つパネットーネを見ると、否が応でも、年末に向けての気ぜわしい気分にさせられるが、その陰に隠れるよ... [続きを読む]

イタリアの絶景26 サン・ヴィート・ロ・カポ

2014年10月12日

シチリア州トラーパニ県に属するサン・ヴィート・ロ・カポは、その名(カポ)が示すように、海に突き出した小さな半島である。海からそびえる岩山は風を遮って船を守る。サン・ヴィートの名は、紀元300年頃、ディオクレアティヌス帝の追手から逃れるため、シチリア南部のマザーラから海を渡ってやってきたローマ貴族高官... [続きを読む]

古代小麦復活のムーブメント

2014年10月11日

グルテンアレルギー(セリアック、イタリア語ではCeriachia)に悩むイタリア人は多く、潜在的な患者も含めると800万人いるとも言われている。ヨーロッパ全体では300人に1人の割合で発症しているというから、問題はイタリアだけでなく小麦粉を食生活のベースとするヨーロッパにおいてかなり深刻な状況である... [続きを読む]

Chianti Classico Houseオープン

2014年10月1日

イタリアで最初のワイン生産者組合は、1924年ラッダ・イン・キャンティで結成された。33の生産者が参加したこの組合は、トスカーナの他の地域で造られるワインと区別するため、32年にキャンティの名前の使用区域を限定。そして、キャンティは67年にDOCに、84年にDOCGに認定され、その一部であったキャン... [続きを読む]

フィレンツェのビオ市Fierucola

2014年9月21日

15年住んだサンタ・マリア・ノヴェッラ地区からアルノ川の反対側のサント・スピリト地区に移って半年、この小さな街では人の行動範囲がいかに狭まるかを身をもって体験した。川向こうへは3分もあれば行けるのに、ほとんど全く行かなくなった。年末のアメ横さながらに大混雑するポンテ・ヴェッキオを渡りたくないというの... [続きを読む]
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