「Sardegna!」Count Downその3

パーネ・リトゥアーレ、とは一般に「儀式パン」と訳され、シチリアでは例のゆで卵を殻ごと仕込んだ復活祭のパンが有名ですが、サルデーニャのパーネ・リトゥアーレはより一層細かい細工で知られています。冠婚葬祭に欠かせないこのパンはそもそもが菓子屋、パン屋ではなく村の女性が家庭で作るものでした。高齢化の波はサルデーニャとはいえ例外ではなく、こうした手作りの美しいパーネ・リトゥアーレは徐々に姿を消しつつあり、まさに今保護、管理しないと消滅の危機にあります。儀式用に堅焼きしているとはいえパンなので虫が喰ってしまうのです。
こうした細かい細工を施すのに使われるのはやはりサルデーニャ産のナイフ「コルテッロ・サルド」ですが、パン細工用の極細ナイフが作られているのもやはりサルデーニャならではの特徴でしょう。

私が愛用するサルデーニャ・ナイフの作者である名工、パオロ・プシェッドゥの工房にはそうしたナイフの素晴らしいコレクションがありますが、これまた実にいきにくい場所にありまして・・・。シチリア以上に難易度が高いサルデーニャ旅ですがだからこそ驚きや発見があることも事実であります。