「Sardegna!」Count Downその4

ポルケッタ、ポルチェット、ポルチェッドゥ、プルチェッドゥ、呼び名は変われど以上は豚の丸焼きのことであります。いや、サルデーニャ流プルチェッドゥを正確に描写するならば乳飲み子豚の半割(!!)を塩だけでじっくりとローストした料理で、皮はかりかり、中はしっとり、肉の旨味を感じるのにこれ以上の食べ方はない、と思える料理であります。例によって地方によってその調理法は微妙に異なり、ある村(といってもこれも例によってバルバージア地方ですが)では地面に穴を掘って炭を熾し、種火状態になったら丸の子豚を火にかけて土をかぶせ、待つこと数時間。肉が焼けたら掘り出してサルデーニャ・ナイフですぱりすぱりと切って食べる、とまるでアルゼンチンのパンパをゆくガウチョのような食べ方をするとか、いや、ミルトの枝をかけてその香りを付ける、とか。そもそもこうした食べ方はバルバージアの山賊の食事方で、食後に骨や生ゴミを埋めてしまえば人がいた痕跡を消すことが出来るから、という恐ろしげないわくまであり、なんとなく映画「ハンニバル」のサルデーニャの羊飼いを思い浮かべたりします。

いわば非常に原始的な調理法でありますが、ローマ化する以前から独自の文明を持っていたサルデーニャにしてみればそうしたある種野蛮な文化が未だ残っていたるのは当然でして、何せバルバージア地方とはローマ人側から見たローマ化できない野蛮人「バルバリ」の住む土地ゆえ、そう名付けられたのであります。MASA