アマトリチャーナの故郷を救え

2016年8月24日3:30(イタリア時間)、M6.2の地震が中部イタリアを襲い、リエティ、アスコリ・ピチェーノ、ペルージャを中心に深刻な被害が出ています。イタリア時間の17:30現在、死者73人。アマトリーチェ市長セルジオ・ピロッツィは「町の4分の3が失われてしまった」とRAI NEWS 24に語りました。

アマトリーチェといえば、おそらくはカルボナーラと並んで世界一有名なパスタ「アマトリチャーナ」の故郷として知られています。町の入り口には「スパゲッティ・アマトリチャーナの町 アマトリーチェ」と書かれているので、アマトリチャーナにはブカティーニではなくスパゲッティが正統です。また、昨年ミラノの2つ星シェフ、カルロ・クラッコとアマトリチャーナにニンニクを使うか否か?で「アマトリチャーナ論争」が起こったことも記憶に新しいかと思います。

そのアマトリーチェがいま存亡の危機に瀕しています。上の写真は2015年7月、アマトリーチェを訪れた際のメインストリート、コルソ・ウンベルト1世通り。下は今朝の地震直後の写真です。

政治レベル、民間レベルでさまざまな募金活動、ボランティア活動が始まりましたが、イタリア料理界ではアマトリチャーナを救うべく、レストランは積極的にアマトリチャーナを提供、それを食べた客から1ユーロ、店から1ユーロ、合計2ユーロずつ募金するという活動も始まりました。またイタリア赤十字(Croce Rossa Italiana 英語版)でも公式サイト上からPaypalを通じて世界中からの募金を(€10〜)呼びかけています。

この「アマトリチャーナを食べて町を救おう」という呼びかけに賛同していただける、イタリア料理店をはじめとするレストラン、ワインバー、エノテカなどなどいらっしゃいますでしょうか。おそらくはこれから世界中のイタリア料理ファン、アマトリチャーナ・ファンがさまざまなかたちで復興への助力を始めることと思います。Gambero Rossoの創設者であるジャーナリスト、故ステファノ・ボニッリは「イタリア料理界において日本はもう21番目の州である」といいました。21番目の州としての連帯が今求められています。