Espresso 2019発表!! 注目レストランは?

去る2018年10月1日、毎年恒例のレストラン・ガイド「Guida Espresso 2019」が発表になった。昨年は40周年記念およびライフタイム・アチーブメントに相当する金の帽子Cappello d’Oro表彰があったかことから金色の表紙だったが、今年はエスプレッソ誌のシンボルカラーでもあるいつもの赤に戻った。41年目にあたる2019年版の特徴は、中面に写真を豊富に使用されていること。また、今回は合計2000件のリストランテ、トラットリア、ピッツェリアがレビューとともに掲載されているが、編集長エンツォ・ヴィッツァリいわく、これは全イタリアに存在するレストランの1%でしかなく、いかにイタリアの食文化が広範囲で多岐に渡っているか、をしめす一例ではないかという。そうした2000件の掲載店のうち、ミシュランでいうなら3つ星に相当する5 Cappelli「5つ帽子」に相当するのは昨年の5件から2件増えて7件となったが、これはミシュラン3つ星よりも、ガンベロ・ロッソの3本フォークよりも少ない狭き門なのである。栄誉ある5つ帽子を獲得したのは以下の通り。
5 Cappelli di Guida Espresso 2019

Casadonna Reale - Castel di Sangro (AQ)
Le Calandre - Rubano (PD)
Osteria Francescana - Modena(MO)
Piazza Duomo - Alba (CN)
Uliassi - Senigallia (AN)
St. Hubertus del Rosa Alpina - Val Badia(BZ)
Lido 84 - Gardone Riviera(BS)

今回新たに5つ帽子を獲得したのは、2018年度版ミシュランで3つ星を獲得したのも記憶に新しい、ノルベルト・ニーダーコフラー率いる「St. Hubertus サント・ウベルトゥス」と、ガルダ湖畔にある「Lido 84 リド・オッタンタクアットロ」だ。特にLido 84は2019年度版最大の驚きだった。ジャンカルロとリッカルドのカラマニーニ兄弟が2014年にオープンした同店は開店わずか7ケ月でミシュラン1つ星を獲得。ベルガモ生まれのシェフのリッカルドは19才から巨匠グアルティエロ・マルケージの下で働き始めた筋金入りのマルケジーニの一人。その後イギリスやパリで経験を積み、La Grande Cascadeではアラン・デュカスの右腕となって活躍。24才で一度イタリアに戻ると同じガルダ湖のVilla Fiordalisoでシェフに就任。再度イタリアを離れて今度はスペインのムガリッツでキャリアに磨きをかけたあと、2014年に兄ジャンカルロとともにLido 84をオープン、現在に至る。

昨年のEspresso誌発表会でエンツォ・ヴィッツァリは「かつてこれほどまでイタリア料理のレベルがあがったことは史上かつてない」と語ったが、それを象徴する出来事がアルト・アディジェ初の3つ星を獲得したサント・ウベルトゥスと2017年末のマルケージの死だった。毎年秋はイタリア・ガストロノミー界が大きく動く時期であり、エスプレッソについで間も無くガンベロ・ロッソとミシュランの発表が相次ぐが、さらなる新しいレストランが誕生するかどうか?2019年度イタリア料理界の動向を注目して見守りたい。

Lido84
www.ristorantelido84.com
Corso Zanardelli, 196 Gardone Riviera (BS)
Tel+39-0365-20019

Masakatsu IKEDA
About Masakatsu IKEDA 1181 Articles
池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属。株式会社オフィス・ロトンダ代表取締役。2014年国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる。2016年レポーター・デル・グスト賞受賞。