La Bastiglia@Spello

夏以来のウンブリア遠征は某フラントイオ訪問のため。3時間に渡るミーティング後はスペッロにある一つ星ラ・バスティリアへ。クリエイティヴかトラディショナルかといえば前者になるけれど、一口ではくくれない変わった料理、と申しましょうか。アミューズはリコッタのタラゴン風味、カボチャ・クリーム添へ。前菜はイノシシのフィレ肉にレンズ豆と栗のスプーマ、さらに森のベリー類。もうひとつはボッタルガのパンナコッタ(!!)と茶碗蒸し(日本語でそういった)フォンディ産鱸のアッペーナ・マリナート。フォンディとは聞いたことない地名なので年配のカメリエーレに尋ねると、一瞬目が泳いだ後「シ、シチリアです」と。シチリアのフォンディ?聞いたことないなぁ、と後で家に帰って調べてみたらラツィオ州でした。

その後は生&コットのスカンピを使ったグラニャーノ産スパゲッティは、皿の上に生のスパゲッティが一本突き刺さったまま登場するという大胆不敵、前代未聞のプレゼンテーション。さらに鴨の胸肉タルタル&腿肉ロースト、野生のピゼッリ添へ。血迷ったピッチャーがフルカウントからセンターへ投げてしまったような料理。それでもまだ食べる。ドルチェはニンジンのザッハー・トルテでウイーン風アンズジャム入りタルトにはニンジンのグラッセが添えてあるのかと思いきや、それはニンジン・ムースのアガルアガル固めという荒技。暖炉には火がともり、要予約で野鳥、野獣などのジラロストが楽しめるそうですが、こちらのがよさそう?クリエイティヴとはいかに難しいか考えさせられた一夜。食事が終わったのは夜の11時半。そこからフィレンツェまで約180km深夜のアウトストラーダを飛ばし、家に帰ったのは日付も変わった深夜1時半。写真はあくまでもイメージです。MASA

Masakatsu IKEDA
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池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属。株式会社オフィス・ロトンダ代表取締役。2014年国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる。2016年レポーター・デル・グスト賞受賞。

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