「Sardegna!」Count Downその3

パーネ・リトゥアーレ、とは一般に「儀式パン」と訳され、シチリアでは例のゆで卵を殻ごと仕込んだ復活祭のパンが有名ですが、サルデーニャのパーネ・リトゥアーレはより一層細かい細工で知られています。冠婚葬祭に欠かせないこのパンはそもそもが菓子屋、パン屋ではなく村の女性が家庭で作るものでした。高齢化の波はサルデーニャとはいえ例外ではなく、こうした手作りの美しいパーネ・リトゥアーレは徐々に姿を消しつつあり、まさに今保護、管理しないと消滅の危機にあります。儀式用に堅焼きしているとはいえパンなので虫が喰ってしまうのです。
こうした細かい細工を施すのに使われるのはやはりサルデーニャ産のナイフ「コルテッロ・サルド」ですが、パン細工用の極細ナイフが作られているのもやはりサルデーニャならではの特徴でしょう。

私が愛用するサルデーニャ・ナイフの作者である名工、パオロ・プシェッドゥの工房にはそうしたナイフの素晴らしいコレクションがありますが、これまた実にいきにくい場所にありまして・・・。シチリア以上に難易度が高いサルデーニャ旅ですがだからこそ驚きや発見があることも事実であります。

Masakatsu IKEDA
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池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属。株式会社オフィス・ロトンダ代表取締役。2014年国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる。2016年レポーター・デル・グスト賞受賞。

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