Bio Masseria Lama di Luna@Andria

マッセリアというのは南イタリア、プーリア州に多く見られる建築形態で、大規模農園の母屋的存在兼オーナーあるいは管理人の住居兼小作人や家畜の住居も兼ねた重厚な石造りの建造物。つねにアラブ系侵略者の脅威にさらされていたことからいつしか要塞も兼ねるようになった、とは以前にバーリ南方セヴェッレートリの5つ星巨大マッセリア「サン・ドメニコ」で聞いた話。しばらくぶりにマッセリアに泊まろうかといろいろ探してみたところ、最近はこぎれいなマッセリアが次々に出来たんですね。特にサレント地方には小洒落た都会派(?)マッセリア・グループを経営する会社もあったりして、プーリアを旅する際の選択肢が増えているのは喜ばしい限りです。

そんななか訪れたのは「ビオ」マッセリア・ラーマ・ディ・ルーナ。200ha(!!)の広大な土地では有機農法「ビオ」でオリーヴ、ブドウなどの作物が作られ、建築には風水の思想を取り入れているという。最近イタリアではビオ・ディナミ、ビオ・ディヴェルシタ、あるいは単なるビオなど、一概にビオといってもどのレベルのビオなのか一般ユーザーも厳しく突っ込んで来る傾向があるけれど、ここでは牛の角の中に水晶を詰めて、満月の夜地中に埋めたりはしない、らしい。

どしゃぶりの雨の中ようやくたどり着き、ビオで素朴な夕食を楽しみにしていたのだが「今日はお客さんが少ないので夕食は中止です」とのつれないおことば。ならば、と出かけたすぐ近くのオステリアがいい店だったのでバランスシートはプラマイ・ゼロ。その分翌朝の朝食はシンプルでヘルシーなアグリの食卓でした。

写真はオーナーのペトローニ氏と悪犬。客と見れば濡れた鼻先を洋服にぴっとりつけて、洗濯するまで忘れられない思い出を残してくれます。MASA

Masakatsu IKEDA
About Masakatsu IKEDA 1139 Articles
池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属。株式会社オフィス・ロトンダ代表取締役。2014年国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる。2016年レポーター・デル・グスト賞受賞。

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