32 Via dei Birraiの実力

「32」という背番号のようなユニークなエチケットを見たことがある人も多いことだろう。 これは北イタリア、トレヴィーゾにあるクラフトビール・メーカー、イタリア語ならばBirra Artigianaleビッラ・アルティジャナーレ、32 Via dei Birraiトレンタドゥエ・ヴィア・デイ・ビッライのことだ。 TasteやEatalyと連動し、ここ数年爆発的なブームを生んでいるイタリアンのビッラ・アルティジャナーレの中でもひときわ知名度、実力ともに頭ひとつ抜けている作り手であることに間違い無い。32とはビールを作る原料の数に由来し、ビール作りへの限りないリスペクトが込められている。今や世界的な知名度を持ちながらもあくまで職人的手工業の精神を貫き、ISO9001:2008 DNV SINCERT、CI、Certificazione Slow Brewingという認証を取得。イタリアのビッラ・アルティジャナーレ界では唯一ヴィーガン認証Vegan OKも取得している。テオ・ムッソのBaladinがビッラ・アルティジャナーレの世界にポップとロックの精神を持ち込んだのだとしたら、32 Via dei Birraiはデザインとファッション性に加え、品質保証という概念を持ち込んだ。王冠+シリコン・コルクというスタイルは瓶同様抜栓後も捨てられないコレクターズ・アイテム。

 

 

CIBUS会場で迎えてくれたのはワイルドな巨漢、ロレーノ・ミキエリンLoreno Michielin。32 Via dei Birraiの中核4人組の一人で、南イタリア及び外国での販売を担当する。

テイスティングしたのはオレンジやレモンの皮、カモミール、アーモンドといったニュアンスを持つ、ベルギー風上面発酵&瓶内二次発酵ストロング・エール・タイプAudaceと、同じく上面発酵&瓶内二次発酵で作り、カラメルや軽やかなスパイスの香りを感じるNebra。アルコール度数が高いビールをイタリアでは瞑想用ビールBirra da meditazioneというが、これはどちらも食前酒、あるいは食中酒。ロレーノは白身魚や寿司、とは完璧な相性なので是非試してみて欲しい、という。ひなびたオステリアでサラミつまみながら飲むなら地味目エチケットのビッラ・アルティジャナーレでもいいけれど、スタイリッシュなミニマル・インテリアのレストランでフィンガー・フードとあわせるのに32 Via dei Birrai以外の選択肢があるだろうか?

 

 

 

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Masakatsu IKEDA
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池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。 2003年度「シチリア美食の王国へ」がイタリア文化向上に貢献した出版物に送られるマルコ・ポーロ賞(イタリア文化会館主宰) 最終候補作品にノミネート 2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属 2011年株式会社オフィス・ロトンダ設立。現在代表取締役 2014年日本初のイタリアの旅と料理をテーマにしたWEBマガジンSAPORITA設立。国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる