スシ型ドルチェ登場、イタリア最新菓子事情

過日ミラノ・コレクションの最中、ミラノに一週間ほど滞在していた時のことである。チャーターしたロケバスのドライバーがやけに食通で「カルロ・クラッコ」「D.O.」「サドレル」といった高級レストランから「ガッリ」「マルケージ」といった老舗パスティッチェリア、「IYO」「FUKURO」「OSAKA」「MUSUBI」といった和食店、さらには普通イタリア人でも知らない「Identita Golose」「Taste」「Salone del Gusto」といった食のイベント、さらにさらに最新のレストラン「TOKUYOSHI」の話題にもふれ、好きなワインは「Stella di CampaltoのRosso di Montalcino」とさらりといってのけるフード・ジャーナリストさながらの博学ぶりにびっくりしたことがあった。その彼に「いま変わったパステッチエレがスシ・ドルチェを作っているのを知っているか?」とたずねられた。知らないと答えると仕事最終日の朝、おみやげにと持って来てくれたのがこのスシ型ドルチェである。製作はミラノ近郊モンツァにある「パスティッチェリア・ボッローメオ」で特別製作ではなく一般にも市販している。

日本の干菓子や飴細工にも寿司を模したものはあるが、食における和食のムーブメントがますます盛んになるミラノとはいえ、これほどまで精巧なドルチェがあるのかと、箱を開けて驚いた。当然のことながら全てが菓子の素材でできており、甘い。この詰め合わせには7種類のスシ・ドルチェが入っており、イクラと数の子?を模したMAKIZUSHIはマジパン、ゼリー、レモン・クリーム、伊達巻きを彷彿させるCALIFORNIA ROLLは2種類のスポンジとマジパン、レモン・クリーム、NIGHIRI TOROはヘーゼルナッツのスポンジとマジパン、マロン・クリーム、NIGHIRI DI SALMONEはトルタ・マルゲリータにマジパン、レモン・クリーム、裏巻きをイメージした2種のHOSOMAKIはフランボワーズ、ヘーゼルナッツ2種のスポンジをそれぞれココナッツ、ピスタチオで包み、レモンとマロンのクリームで仕上げている。おそるおそる最初に口に運んだのはおそらく誰もが興味を抱くであろうイクラのMAKIZUSHI。シチリアのフルッタ・マルトラーナを思わせるようなマジパンとフランボワーズ・ゼリーは、そのビジュアルとは180度異なる甘さで視覚と味覚のギャップを埋めてくれる。気がつくとひとつまたひとつとあっという間に寿司桶の中のスシ・ドルチェは減ってゆき、最後に抹茶入り緑茶を飲み干した。あたらしもの好きの方は是非一度お試しを。

Pasticceria Borromeo

Via Borromeo,29 Cesano Moderno(MB) Tel0362-541441

www.pasticceriaborromeo.com

 

Masakatsu IKEDA
About Masakatsu IKEDA 1139 Articles
池田匡克 Masakatsu IKEDA ジャーナリスト 1967 年東京生まれ。出版社勤務後1998 年イタリアに渡り独立。旅と料理のビジュアル・ノンフィクションを得意とし、イタリア語を駆使したインタビュー、取材、撮影、執筆、講演活動を日本、イタリア両国で行う。主な著書に「シチリア美食の王国へ」「イタリアの老舗料理店」「サルデーニャ!」「フィレンツェ美食散歩」「アマルフィとカプリ島」「Dolce!イタリアの郷土菓子」「世界一のレストラン オステリア・フランチェスカーナ」など多数。2005年よりイタリア国立ジャーナリスト協会所属。株式会社オフィス・ロトンダ代表取締役。2014年国際料理大会Girotonno、Cous Cous Festに日本人として初の審査員に選ばれる。2016年レポーター・デル・グスト賞受賞。

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