納税者コード
今週に入って暑さが戻ってきた。なんだか例年、9月は残暑な気がする。 そんな炎天下で昨日は朝から午後2時までブドウ畑で撮影。 慣れない日射しの下、だんだん頭が働かなくなっていったのが 自分でもよくわかる、バカンス明けの初仕事だった。 取材相手に連れられて、近くのトラットリアで遅いお昼。 「魚でいい?」と言われ、もうなんでもいいと思っていたので 大人しくついて行ったけど、トスカーナの田園で魚かい、 と頭の片隅でちょっとは思った。 しかし、予想を遥かに裏切るいい店だったー。 もうなんでもいいや、と目についた「ヴォンゴレとカラスミのオレキエッテ」 を頼んだけれど、これがまたパスタもしこっと美味いし、ヴォンゴレも 小粒で濃い味わい。細かく細く切ったカラスミもいいパンチを出していた。 えぇ、当たりだったんです、この店は。その名もTrattoria del Pesce。 そのまんま。 食べながら聞いた話。その取材相手(女性)には子供がいて、 上から9歳、5歳、1歳なんだそうだけれど、その1歳の子が 去年生まれた時に送られてきた納税者コードが間違っていることが判明、 それを訂正しなければならなくて、役所に電話しているけれど、 なかなか事が運ばなくて、こうなったら乗り込んで行って 一気に片付けなきゃ...というんだけれど、 「え?1歳の子も納税者コード?」 そうなんです、イタリアって、生まれたらすぐに、一番最初に 役所から送られてくるのは「おめでとう」のお誕生カードではなく、 納税者コード。脱税王国だからその対策は草の根から というのもわかるけど、なんだか殺伐としてくる話。SAPORITAをもっと見る
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