Da Burde@Firenze
トリノ五輪、今ひとつ盛り上がりに欠けているみたいだが、まぁ冬期だし、マイナーだし、フィレンツェは直接関係ないし、仕方ないことなのかも。新聞「Il Giornale」の記者が書くには、二年に一度のSalone del Gustoが開催されるリンゴットが五輪のプレスセンターになっているのだが、ここの食堂が高速道路SAの食を一手に引き受けている、アウトグリル。「せっかく、美食の地ピエモンテを世界各国のプレスに宣伝する機会なのに、こんなインダストリアルな食を出すなんて信じられない」と嘆く。 イタリア人全てが食いしん坊というわけではないね、などと話しながら、我々はフィレンツェ西の郊外のトラットリアDa Burdeへ。100年以上同一経営で続く、フィレンツェでは唯一の食堂だ。入ってすぐのところに生ハム、チーズが並ぶガラスケース、壁際にはパスタから猫缶までが揃っている。いかにも街道筋のよろず屋といった感じ。予約した旨を告げると、奥の右、と言われる。奥の右、奥の右、と唱えながら、途中、カメリエーレにさらに「奥の右」と言われながら、迷路のように奥へと進んで、ようやく席に到着。意外と奥に広い京都式。 この広い店が、昼でもほぼ満席。その理由はまずなによりも安さにある。プリモが3ユーロ台〜、セコンドが10ユーロ〜と、我が家愛用のVinaino並み。しかし、その料理はより質実剛健だ。名物がビステッカ、ボッリートミスト、それからパペリーノ・アロスト。これは、牛の腿の付け根辺りの肉を輪切りにしたもので直径40cmはある。パペリーノとは漫画ドナルド・ダックのことで、この漫画に出てくるステーキからイメージしたという。 ドルチェは、ズィビッボのスキャッチャータと、時節柄スキャッチャータ・アラ・フィオレンティーナを選択。大粒の白ぶどうズィビッボが粘りのあるパン生地にたっぷり入った前者は、供される前にオーブンでこんがりと焼き目をつける。朝ご飯にもよさそうな、パワフルドルチェであった。mnm

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